左利き専用のロレックス、GMTマスターII レフティ スプライト Ref.126720VTNR

GMTマスターII
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左利き用のロレックスとは?

ロレックスが信じられないバリエーションをたくさん追加するようになった。

これまでは突拍子もないことはほとんどしないブランド体制であり、良い意味でいうと硬い、悪い言い方をすると面白みが少ない、エンターテイメント性もサプライズ面の要素は少なく、タイプとしてどのようなマイナーチェンジで攻めてくるだろうという、ファンもメディアも大きなサプライズは期待していなかったのである。

それだけにモデルチェンジや新しいシリーズやあるシリーズでの新たなモデルが登場すると非常に話題になったのは、ロレックスというブランド堅物だったからである。

その堅物的な遺伝子というのかアイデンティティというのか、それとも後学的に哲学と呼ぶべきか、は分からないが、ロレックスがロレックスたる所以そこにある。

そしてそれが今回敢えて特筆しようと思った理由の一つなのである。

というのもロレックスにはこれまで左利きの腕時計というものが存在しなかった。

というより各社、腕時計を右腕に標準で着用するようなモデルをあまり作っていない。

右腕に標準で着用するというのは、要するにリューズが時計の左側に位置するという意味であるが、あらゆる時計メーカーが左利き専用の腕時計を作っていないものであるから、ユーザーとしては半ば諦めのようなものはあったと思う。

そこに救世主として現れたのがパネライである。

パネライはスイスメーカーの中でも真っ先にたくさん左利き用のモデルをルミノールから発表し、デストロと呼ばれる左利き専用モデルは現行モデルのカタログに3種類は存在している。

左利きは腕時計をどっちにつける?右腕用のおすすめ高級スイス機械時計・ロレックス、IWC、パネライ他
左利き用?右腕用? 左利き用の腕時計はレフトハンドと言われることが多いが、装着するのは右腕である。 それは左利きだからレフトハンドというんじゃないの?と思われるだろうが確かにそうだ。 それは正しい。 しかし僕のようにストレートに言ってくれた...

こちらでもパネライの左利きモデルを紹介している。

というわけであるから、あのロレックスが、という思いは一般的に多くの人が感じたに違いない。

ロレックス GMTマスターII レフティ スプライト Ref.126720VTNR

ロレックス GMTマスターII レフティ Ref.126720VTNR
ロレックス GMTマスターII レフティ Ref.126720VTNRの一覧、価格、在庫などの最新情報はこちら>>

GMTマスターII レフティ スプライト Ref.126720VTNR

そう、ロレックスもとうとう2022年に新作としてGMTマスターIIに左利きモデル『レフティ』を発表したのである。

ぱっと見なかなか見慣れない感じがやはりある。

例えるなら、友達の顔を鏡越しに見た時のような感じであろうか。

友達なんだけど友達じゃない、あの感じ。

ドラえもんのパラレル西遊記でのび太の両親が地味に怖い喋り方をするあの感じ。

若干の違和感があるが、リューズよりもデイトのサイクロップレンズの位置ではないだろうか。

ここは賛否両論意見があったに違いないと考えらる。

デイトの配置は従来通りで良かったのではないか、という議論が。

左利き用のロレックスを購入する見込みユーザーがこれまで通常の腕時計を使用していたのか、左利き用の腕時計を使っていてロレックスに乗り換える可能性を考えたのかを色々と考えたと思われる。

というのも上述したパネライのルミノールデストロはGMTマスターIIの左利きモデル同様に、元々文字盤左側に位置していたスモールセコンド(秒を刻む針)を右側に写した。

ルミノール通常モデル

ルミノール左利き用

そう、つまりロレックスが決断したことは、デイトを置く場所も鏡文字のように通常モデルの反対側に配置するということだ。

(議論があったかどうかは僕の勝手な想像であるが、とても慎重にことを進める企業であるからあらゆる可能性は考えたのではないかと思う)

ムーブメントの関係もあったのだと思う。

これまでのGMTマスターIIのムーブメントではリューズ側にデイトが存在していた。

であるとすると、左側にリューズを移してデイトはこれまで通りの位置にする、つまりリューズの反対側に配置するとなると、ムーブメントの構造をごっそりと変えないといけないことになる。

となるとすると、ムーブメント開発に時間をたっぷりと要することになり、コストも嵩む。

完全に左右が反転しているわけではないと思うが、ムーブメントは新たに配置を変えて作り直すより構造を真逆にする方が簡単なのではないかと思われる。

となるとすると、個人的な考えではあるが、ロレックスが左利きモデルを作ろうと思い立って完成させるまで、そこまで時間はかかっていないのではないかと感じた。

(もしかすると単純にムーブメントを半回転させ、針の位置などの微調整を加えているだけのかもしれないとも思ったのであるが、そうなるとすると余計にコストはかからないことになる。現にムーブメントは右利き用左利き用共にCal.3285という表記になっていて同じムーブメントを使用していることになっている)

昨今の多様性を重んじる社会的な風潮に合わせ、あらゆるニーズに答える企業であることを目標にしているのかもしれない。

ロレックスのような発言力とリーダーシップがある企業がこのような動きを見せることで、他社も左利き用の腕時計を発表してくる&しやすくなったのではないかと思った。

さて、左右反転モデルが登場したことですっかり隅に追いやられてしまった大きな特徴の一つ、半分だけグリーンなベゼルを忘れてはいけない。

もし左利きのモデルではなくこれまで通りの右リューズモデルであれば、この色使いが最も注目されたに違いない。

左利きというインパクトがあまりに大きいので色をすっかり見落としそうになってしまう。

サブマリーナについで緑色をベゼルに使用した2モデル目になるので、相当大きなニュースになるであろう事柄なのに、左側に位置するリューズやサイクロップレンズで脳が混乱してベゼルのことが後回しになってしまったに違いない。

左脳と右脳が反転したかのような衝撃を受けたのである。

GMTマスターIIはその仕様用途と同じくバリエーション展開に冒険心がある。

スポーツウォッチでありながらジュビリーブレスを採用したり、今回のように唐突に左利きモデルを採用したりと、

もしかするとGMTマスターIIを企画する部門がすごい面白いチームなのかもしれない。

それか奇抜なアイディアを出す出来る人間がいるか。

まとめ

いずれにせよ、GMTマスターIIの左利きモデルは本当に面白い存在であるし、今後あらゆるところで取り上げていこうと思う。

GMTマスターIIは存在の目的用途と同じで、バリエーションに冒険心がある。

因みに今回のGMTマスターIIに付けられたニックネームは『レフティ』、『スプライト』だそうだ。

レフティは左利きを意味し伝統的なニックネームを与えたわけではないが、ベゼルの配色でニックネームをつけるGMTの文化は面白い。

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こちらでもGMTマスターIIに付けられたニックネームについてお話ししているので気になる方は是非参照いただけたらと思う。

ロレックス GMTマスターII レフティ スプライト Ref.126720VTNR

ロレックス GMTマスターII レフティ Ref.126720VTNR
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