WGデイトナ・旧型Ref.116519LNと新型Ref.126519LNの価格比較
昨今の腕時計ブームは見ていて面白い。
僕自身が投資に参加しているわけではなく、外から値動きを見物しているだけなのだが、値段以上にあらゆる情報が汲み取れるのでデータ的ではあるがエンターテイメントの一種としてその生きた数字を楽しんでいる。
こちらの記事でもお話ししているが、腕時計には投資という側面が色濃く反映されるようになってきた。
決まったブランド数種ではあるが、対象となったブランドには莫大資金が投入される。
腕時計投資に関した記事をいくつか書いているので詳細はそちらにて。
さて、そんな対象ブランドの一つが今回のテーマとなっているロレックスである。
デイトナに関してはもはや一昔前のパテックフィリップの価格になっており、このままいけば、、であるが、このままいけばその加速度的な人気と需要からパテックフィリップのノーチラスをデイトナが追い越してもなんら不思議ではないのである。
ノーチラスのゴールドブレスモデルはすでに5000万円に達しており、ロレックスのデイトナの2023年新作のホワイゴールドRef.126529LNもそれを追うように3000万円の値が付いている。
当然元々そのような定価が設定されているわけではなく、例の如くその人気によってである。
デイトナの新型が発表されてから、ロレックス市場はまた違った色を見せはじめている。
バブルに次ぐバブルで、数年前のバブルがもはや定着しつつある。
10年前のロレックスの価格ではもうほとんどのモデルは買えないだろうところまで来た。
今日お話ししたいのは、新型WGデイトナ Ref.126519LNと、上記のルマン24の100周年を記念したデイトナRef.126519LNが2023年にそれぞれ登場したわけだが、それに伴う旧モデルとなる116519LNとの価格比較についてである。
ロレックス デイトナ ホワイトゴールド アラビアンインデックス Ref.116509の一覧、価格、在庫などの最新情報はこちら>>
旧型116519LN
端的にいうと、旧型モデル Ref.116519LNは600万円前後で購入可能だ。
一方、新型モデル Ref.126519LNは700万円くらいであるから理屈にあった価格差なのではないかと思う。
しかしそのまた一方で、2023年に同じく登場した126519LNの価格であるが、先にお話ししたようになんと3000万円前後で取引されているわけであるから、この価格差は本当にオーマイガーなのである。
600万円、700万円が安く感じる価格差だ。
僕は正直もっとするのかと思っていた。
1000万円くらいはしてもおかしくないのかなと。
おそらく、おそらくではあるが、
まだ推測の範疇を出ないのではあるが、1000万円を超えることにはなる気がしている。
多少の波はあっても数年後には1000万円に到達しているだろういうことが予想される。
なんてたって、定価という元々の価格がスイスで値付けされるからである。
失われた30年を背負う日本の事情よりもまずはその出発点である現地の定価が存在して、そこにその国独自の人気という付加価値が覆ってくる。
ロレックスのような国際企業ではブランド価値というものはドメスティックなものに比べ指数関数的に高く評価されるものである。
触れる人口の桁が違うわけであるから、当然そのものにお金を払うという人数そのものもそうだが、それに投資できるお金を桁違いに持っている人も人口比に対して指数関数的になってくるのである。
そういったわけで今後はホワイトゴールドのデイトナは1000万円を下回る価格では販売されないと思われる。
4、5年はかかるかもしれないが、あくまでも僕個人の予想だ。
ロレックスは生産終了と同時にプレミアが付いて新型と遜色ない価格になる珍しい存在で、世界的にみてもこのようなプロダクトは腕時計業界や自動車業界のある一握りのブランドや車種を除いて存在しない。
人気が局所的に集中しまくるデイトナであるから、ゴールド素材のデイトナは逆に買いなのかもしれないと思っている。
お買い得のWGデイトナ アラビアインデックス
上述したホワイトゴールドデイトナの中でもお買い得なモデルが存在するということを後半ではお話ししようと思うのだが、アラビアインデックスのダイヤルをご存知だろうか。
116509 ホワイトゴールド アラビアインデックス
2024年3月末現在
価格 : 440万円〜
僕らが普段使っている数字はアラビア数字と呼ばれるものだ。
アラビア数字がインデックスに使用されたデイトナは割と価格がバーインデックスのものに比べると割安感があったりする。
理由は人気度によるものであると思われる。
いわゆる需要だ。
僕たちが普段使っている腕時計のインデックスにはアラビア数字はあまり使用されない。
使用されても12、6のみか、それに3、9が追加されているくらいで、1から12まで全てにアラビア数字が配置されることはない。
フランクミュラーやその他少数の腕時計のみに使用されているが、壁掛け時計でない限り、割と珍しい仕様である。
ローマ数字の方が腕時計には馴染みが深いわけであるが、視認性や認知性の観点からいうとアラビア数字のインデックスは非常に実用的なのである。
そういった理由などから、あくまで予想の範囲を超えることはないが、アラビア数字のデイトナを愛用している人は若干年齢層が高めなのではないかと思われる。
僕の経験上、デザイン性やかっこよさよりも機能性や実用性を重要視するのは若年層ではない。
内面や機能美などの本質を求める目が養われるのは、ある程度年齢を重ねてからなのである。
今回紹介しているアラビア数字のデイトナであるが、価格差がより顕著に現れたのがホワイトゴールドのみであった。
イエローゴールド、コンビ、エバーローズゴールドのモデルもやはりアラビア数字のモデルは若干割安感がある。
しかしホワイトゴールドの掘り出し物感には敵わない。
デイトナの新型モデルが登場し、ごそっと全てが入れ替わった今、あらゆるタイプのデイトナの価格を見てみるのもなかなかに面白い。
まとめ
ロレックスのデイトナは高いと思われていないだろうか?
その通り、高額なのである。
そしてその価格はこれからも上昇しそうなのである。
インフレなども効率的に働いているから全ての値段は上昇するのであるが、問題はその上昇率とスピードである。
例えば、日本で売られているチョコ。
このチョコの値上がり率やスピードと、ロレックスのそれを比べて、どちらが上昇率、スピードともに数値が高いだろうか?
当然ロレックスだ。
ものの値段が上昇する理由の大きな原因の一つに、買いが集中することが挙げられる。
買いが先行すると売り手は値を釣り上げる、もしくは、釣り上げないと需要を抑えられない状況になってしまうのである。
そんなバブルがロレックスの、特にデイトナに顕著に起こってしまうのであるが、
ロレックスのデイトナは製造コストを上回るほどの価格変動が人気によって起こってしまっている
ということだ。
逆に言えば何らかの特徴で人気があまり集まらなかった場合は価格が落ち着きやすいということである。
例えばデザイン性に何か不人気な要素がある場合だ。
不人気とまでいかなくても大人気ではない場合はそうなる傾向にある。
厳密にいうと、文字盤の色の違いで価格に違いが出ることがすでにその現れなのである。
今回お話ししたアラビアインデックスがそうなのであるが、前半で紹介したモデルたちはこれからどんどん価格が上昇していくことだろう。
それに反応して後半のアラビアインデックスのモデルもじわじわと価値が上がっていく。
上昇具合は違うだろうし、価格差も広がっていくだろうが全体として値が底上げされていくことが予想できるのである。
まだまだ落ち着きそうな気配はない。