IWCかゼニスか?どっちがおすすめなの?・超絶美しいIWCか次元大介も愛用するゼニスか

ゼニス

IWCかゼニスか?

さて、みなさんはどんなタイプの腕時計が好きだろうか。

機械式が好きであることはもちろんであるが、腕時計を購入する際どのような部分を一番に考えるのであろうか。

ムーブメントの凄さか、機能か、デザインか、ブランドか、色か質か、素材か、

考えればあれやこれやとキリがないが、個人的な意見で言うと僕は断然IWC派である。

IWC

なぜか。

僕が腕時計の中で大事にするポイントというのが、上記のオプションでいうと、ブランドイメージに次にデザインとムーブメントの凄さを考えて価格と比較して下位であると思えばそれをチョイスする。

基本的には大多数のそれと同じような選択の仕方かもしれない。

であるとすると重要なのは最初のブランドイメージになてくるかもしれないのであるが、IWCのイメージとはどんなものだろうか?

腕時計にIWCというブランドがあることを知らない人からするとIWCと聞いて思い出すのは国際捕鯨委員会なのではないだろうか?

アルファベット三文字にする重複する組織や機関やグループまたはある現象の言い回しなどが存在してくるもので、最初こそ僕もIWCといえば国際捕鯨委員会であったが、今ではそのようなイメージは一切ない。

僕がIWCのことが最高に好きになったのはポルトギーゼの存在を知ってからである。

今でこそ自社製の自動巻きムーブメントを搭載しているが、僕が好きだった頃はETAベースのムーブメントを使用していて、当時はまだETAが幅広く使用されていた時代だったのである。

パネライも今ではロングパワーリザーブを売りにする自社製ムーブメントをたくさん作っているが、当時のルミノールはETA改が多かったのである。

少しだけ腕時計の事情をお話しすると、1860年から割と精度の高い汎用ムーブメントを製造するETA社はスウォッチグループに買収され、近年スウォッチグループからスウォッチグループに属さない企業へのムーブメント供給を止めることが発表されたわけだが、それまでETAムーブメントをベースにあらゆる機構を搭載したモデルを作っていた企業は青ざめたわけである。

あらゆる経済的政治的な事情で、ある企業がまた他の企業に商品を卸さなくなるというのはよくある話ではあるのだが、機械時計メーカーなどの動くお金が大きく企業収益が経済情勢に大きく影響される不安定な業種にとっては死活問題であるのだ。

リシュモングループに属するIWCやパネライは自社でムーブメントを開発しなければならなくなったのであるが、怪我の功名というべきか元々脱他社依存を考えていたのかはわからないが結果的にはこの方向転換がプラスに働いているようには思える。

というのも、自社でムーブメントを作るということは時計の価値が上がるということであり、需要上昇に直結することになるのである。

車で考えてみるとわかりやすいのだが、フェラーリのエンジンを詰んだフェラーリと、フェラーリエンジンを積んだマセラティでは前者の方がブランド力がある気がしないだろうか。

確かにマセラティを購入するユーザーの中にはフェラーリのエンジンが入っているから、といった安心感とブランド感は感じるかもしれないが、それはフェラーリブランドの力であって、フェラーリがエンジン供給を止めるとなるとマセラティはどうしようもなくなってしまうのである。

自社でエンジンを開発できないような事態に見舞われると、次はどこのメーカーと提携しようか迷うはずである。

エンジンのような車のコアとなるものが変わると、当然変わるのが走りでありエキゾーストの音である。

これまでフェラーリの音が好きだったマセラティユーザーの何割かはそっぽを向いてしまうであろう。

外見はこれまで通り同じでも、中の機械が変わってしまうとかなり大きな影響を受けてしまうのが車業界と同様、時計業界なのである。

実際パテックフィリップやロレックスが人気であるのもやはりその内面の凄さにあるからだ。

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中身の機械というのはある意味実用性などの質を意味するわけであるから、パネライの人気もまた内面で勝負しているということになる。

さて話をIWCに戻そう。

IWCのすごいところはこれまで話してきたことを8割方自身で否定してしまう内容なのであるが、やはりその美しさにある。

IWCやA.ランゲ&ゾーネの外観は確かにスイス界の中でもトップレベルで美しい。

ドレス系を基本とする珍しいメーカーたちで、スポーツ系をメインとしたブランドでなければ生き残りが難しい中、敢えて、というかそれがブランド哲学であるから仕方ないのだけれどドレッシーなブランドを貫いている。

基本的に余計なものを引き算した、全体的にも部分的にも野暮ったさやヌメヌメしたところがなく、パーツパーツはそれぞれがとてもシャープで切れ味が良い。

ケースは丸型を主流とし、シンプルなものをシンプルに配置するといったスタイルで全てが磨き上げられた見ておきたい芸術作品を一つ一つ丁寧に製作しているイメージである。

腕につけるというよりも、目の保養として眺めておきたいキャンディウォッチといった感じであろうか。

ただ僕はIWCを見た目だけで選んでいるわけではない。

IWCは長年ETAムーブメントを使ってはいたし、ETAを改良していたりもした。

ETAのムーブメントをベースに開発した永久カレンダーに関しては特に高い評価がなされている。

クルトクラウスの存在であるが、これはまたの機会にお話しするとしよう。

要するにだ、IWCをチョイスする理由として挙げたいのが、僕好みの綺麗なドンピシャデザインを作りながらも、機械ムーブメントの技術力はいくつかの複雑機構の高い性能からしても裏付けがあり、美を中心に総合的に高い位置に存在するのがIWCなのである。

ゼニス

一方でゼニス。

実はゼニスはゼニスでまた別の伝説を作っている。

世界初のクロノグラフを作ったのはゼニスなのである。

1969年、クオーツショックが起こった年であるが、ゼニスが発表した世界初のクロノグラフムーブメントがあの有名なエルプリメロであり、一時間に36000回振動することでも有名である。

1/10秒の時間を計測できるとクロノグラフムーブメントであり、高い振動数から計測される時間もまた精度が高いのである。

デメリットとしては振動数が多いということは運動量が多いということであり、パワーリザーブのもちがあまり良くないというのが過去には難点であったわけだが、現在では60時間の駆動時間を確保できるように技術が向上している。

もう一つのデメリットとして挙げられるのが、摩耗である。

駆動部分や駆動回数が多いということはそれだけ消耗を激しいわけであるが、その辺りも特殊なオイルを開発することで問題をクリアしている。

毎時36000振動というエルプリメロの最も重要な遺伝子は残しておきたいということだろう。

僕はこのエルプリメロというムーブメントにはとても大きなロマンがあると思っている。

一つは次元大介。

ルパン三世でお馴染みの次元大介も実はゼニスのエルプリメロムーブメントが搭載された、おそらくクロノマスターの愛用者なのであるが、アニメでしっかり腕にゼニスの腕時計を着用しているシーンが現れている。

そしてもう一つはロレックスのデイトナ。

ロレックスは1988年誕生の第四世代 Ref.16520でゼニスのエルプリメロを載せているのである。

2000年に自社開発のムーブメントに載せ替えされたのであるが、13年間におよびエルプリメロはロレックスの一時代を支えていたのである。

そういった背景からも僕はゼニスの歴史がすごく好きだし、非常に重みのある伝説をたくさん残している。

そういった面でいうと、ゼニスの方がIWCよりも若干内面のウェイトが重い気がするが、デザインを合わせた総合面で僕はIWCの方が好みにあっているのかなと思っている。

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ゼニスは現在ラグジュアリースポーツブランドとして生まれ変わろうしていて、IWCとは正直ブランド哲学がかなり違うのであるからして比較すること自体がおかしいのかもしれない。

まとめ

ブランド力というか人気というか、価格帯というか、時計そのものを除いた見方で両者を判断するならば同じような場所にいるのかもしれないが、どちらが良いのかという選択は内面外観ともに両者が得意とする特徴を見て判断するのが良いと思われる。

ブランド力を比較するよ味方もあるわけだが、個人的にはIWCの方が高いポテンシャルを持っているように感じる。

ゼニスにはデファイというラグジュアリースポーツという武器があり、その武器の使いようによっては現在の局面を大きく変えるかもしれないゲームチェンジャーになる可能性は十分にある。

IWCにも実はインヂュニアというジェラルドジェンタ氏がデザインしたラグスポシリーズが存在するのであるが、IWCは依然ドレスウォッチを押したブランド展開しており、世の中の流行に敢えて乗っかろうとはしない。

その辺りが僕がIWCやジャガールクルトが好きな点であるが、IWCと比較するべきなのはゼニスよりももしかしたら遺伝的に近いジャガールクルトなのかもしれない。

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