デイデイト 40
ロレックスの新作が発表がされたが、市場はまだ熱狂したままである。
ロレックスの新作発表となると手に汗握るスポーツのようなエキサイトメントが感じられ、ウォッチ&ワンダーズの開幕は現地にいなくてもとても緊張するものである。
今年も良作がたくさん生み出され、近いうち新作をまとめた記事を紹介しようと思うが、今回はデイデイトで発表された新作群をたっぷりとご紹介しようと思う。
今回もまたデイトデイトからはあらゆる個人個人の好みに合うようなバリエーションが大変ゴージャスな仕様でデザインされ、ロレックスお得意の天然素材のオンパレードといった感じであるが、今年も見事に美しい作品ばかりなのでお気に入りのモデルが見つかるであろう。
しかし、そこはデイデイト、ロレックスが同社で一番格上の腕時計に設定しているだけあって値段もやはり格上というよりも格を破ったように高額であるが、とりあえバリエーションを見ていただけたらと思う。
定価とともに記載している。
エバーローズゴールド
デイデイト 40 Ref.228235 スレートオンブレ
定価 : 5,985,100円
まずはデイデイトの大きなモデル、デイトデイト40だ。
新しいモデルに搭載されたスレートオンブレは新型のスカイドゥエラーにも載せられた文字盤である。
スレートとは粘板岩のことでありグレーをダイヤル色に採用したり、ベゼルに採用したりとロレックスはスレートカラーのダイヤルを今年は多く使用しているようだ。
スカイドゥエラーにはオンブレはなく、ストレートなスレートという感じだろうか。
オンブレとはフランス語で陰影や明暗を意味する言葉であり、角度によって濃さがなどが変わるのがオンブレダイヤルなのであるが、簡単にいうとグラデーションのようなものではないだろうか。
ちなみにこちらが2024年の新作GMTマスターII Ref.126710GRNRに採用されたグレーベゼルである。
グレーがなかなかにかっこいい色になりうることをロレックスに教えてもらった感じだ。
さて、このオンブレダイヤルであるが、実は1980年代にすでに存在していたそうだが、2019年に再び登場し現在になって人気を集める形となっている。
確かにグラデーションダイヤルは昨今の腕時計業界のトレンドにもなっているし、角度によって濃淡や明暗が変わるオンブレダイヤルは如何にも現代らしいモダンな要素であると言える。
その新たなカラーリングにグレーを採用しているところがまたロレックスがやりそうなことでもある。
どのメーカーも使いたがらないような色のチョイスがロレックスらしさを出しているが、オンブレダイヤルは別カラーでバリエーションを増やしていくのではないだろうか。
やがてはデイトナなどにブルーオンブレやアイスブルーオンブレなんかもいいかもしれない。
どんな色でもロレックスならかっこいいモデルに仕上げてくれるであろう。
ただ、オンブレダイヤルは非常に難しい工程を要するため専門の技術監督の元で製造することになっているらしいのだ。
ナチュラルに外周に向かって暗く黒くなっていく綺麗なグラデーションには熟練の職人の技が必要なのであろう。
スレートオンブレ、このモデルも今年注目デイデイトの一本になるであろうが、グレーからブラックになるスレートオンブレとグレーとブラックのツートンが織りなす新型GMTマスターIIとの組み合わせもまた面白いのではないかと思う。
デイデイト 40 Ref.228235 ホワイトマザーオブパール
定価 : 6,770,500円
10個のバゲットカットダイヤモンドとホワイトマザーオブパールとの組み合わせが違和感なく文字盤の載せられた一本。
産地によって色合いを絶妙に変える神秘性の高いマザーオブパールダイヤルであるが、天然素材を薄くスライスして丁寧に仕上げた文字盤であるため1本1本が別の表情を見せるのが特徴的である。
個体によってピンクが目だったりホワイト、ブラック、イエローが際立ったりと、全てが全く異なった顔をしているのも面白いものである。
こういったモデルは店頭で見比べて選んでみるのが一番良いだろう。
ホワイトゴールド
デイデイト 40 Ref.228239 ホワイトマザーオブパール
定価 : 6,770,500円
デイデイト 40にホワイトゴールドとホワイトマザーオブパールのダイヤルを組み合わせた新作も登場している。
エバーローズゴールドのモデルと違うのはケース素材が同系色であるため、より一体感のあるアクセサリーブレスレットのような存在に見えなくもない。
同じく天然素材であるため個体差があるが、どのような表情を見せようともホワイトゴールド素材のケース・ブレスレットとの相性は抜群である。
デイデイト 36
イエローゴールド
デイデイト 36 Ref.128238 ホワイト
定価 : 5,051,200円
デイデイト 36 Ref.128238 グリーンオンブレ
定価 : 5,051,200円
スレートオンブレのみではなく、グリーンでもオンブレが使われている。
やはりグリーン系でグラデーションを効かせたダイヤルは奥深さがあって立体感と深遠さを感じさせる。
ブリティッシュグリーンとも言える深みのある高貴なグリーンに仕上がっているように感じる。
デイデイトのような重みのある存在であると、文字盤もこのくらい気品のあるダイヤルである方が好ましい。
かくいう僕もデイトナで一番好きなモデルが三つあって、一つはRef.116508のグリーンダイヤルなのであるが、イエローゴールドとグリーンダイヤルの取り合わせはゴージャスである。
特に今モデルのようにグラデーションがかかっているとさらに重厚感を感じさせる存在に仕上がる。
スポーツウォッチではないため、余計に良いまとまりを見せている。
デイデイト 36 Ref.128238 ダイヤモンド入りシャンパンカラー
定価 : 5,688,100円
イエローゴールドとシャンパンダイヤルのコンビネーションもまた乙である。
色合いが完全に調和しているためゴージャスなブレスレットといった感覚で楽しめるタイプの腕時計である。
そういう面でいうと、デイトナエバーローズゴールドのロゼダイヤルもそのような部類に位置付けされるが、同色系でまとめられたブレスレットタイプの腕時計は存在感もあって、実におすすめである。
デイデイト 36 Ref.128238 ダイヤモンド入りブライトグリーン
定価 : 5,688,100円
デイデイト 36 Ref.128238 ダイヤモンド入りホワイトマザーオブパール
定価 : 5,836,600円
エバーローズゴールド
デイデイト 36 Ref.128395TBR ホワイト
定価 : 10,874,600円
デイデイト 36 Ref.128395TBR ブラウンオンブレ
定価 : 10,874,600円
ブラウンオンブレも存在するようだ。
エバーローズゴールドとチョコの組み合わせに若干のアレンジを加えた形だろう。
単調なチョコレートも良いが、オンブレのグラデーションを見てしまうとエバーローズゴールドのダイヤルにはブラウンオンブレがチョコダイヤルにとって変わる日が来るかもしれない。
それくらい相性の良い取り合わせだと思う。
デイデイト 36 Ref.128395TBR ダイヤモンド入りロゼカラー
定価 : 11,304,700円
やはりデイトナとロゼ同様、デイデイトでもエバーローズゴールドとロゼが非常に良い組み合わせだ。
イエローゴールドとシャンパンがより現代っぽくなったイメージだろうか。
誕生したのが遅かったからか、ロレックスのピンクゴールドはヤングでナウイイメージであるが、上品さは微塵も損なわれていない。
ロゼとエバーローズゴールドは間違いのないコンビだ。
デイデイト 36 Ref.128395TBR ダイヤモンド入りブラウンオンブレ
定価 : 11,304,700円
ブラウンオンブレにダイヤモンドインデックス。
オンブレのダークな部分に白色のダイヤモンドというコントラスト。
なんというアイディアを採用してくるんだ、というような素晴らしいアイディアであるが、これは需要があるだろう。
デイデイト 36 Ref.128395TBR ダイヤモンド入りスレート
定価 : 11,304,700円
スレートとダイヤインデックスの組み合わせもまた乙である。
グレーダイヤルとダイヤモンドの相性は割としっくりくるのではないだろうか。
白でもなく黒でもない中間色のグレーだが、角度によって良い具合に輝くグレーと白色のダイヤモンド。
コントラストと調和がハーフハーフで絶妙な取り合わせである。
これはもう個人の好みの差になるだろう。
これも悪くない。
デイデイト 36 Ref.128395TBR ダイヤモンド入りホワイトマザーオブパール
定価 : 11,408,100円
デイデイト 36 Ref.128395TBR ダイヤモンド入りシルバー
定価 : 11,511,500円
デイデイト 36 Ref.128395TBR ダイヤモンド入りブルーグリーン
定価 : 11,511,500円
今回の一押しはこのモデル。
ブルーグリーンダイヤルがスカイドゥエラーの新型同様にデイデイトにも採用された。
エバーローズゴールドとブルーグリーンの取り合わせは非常に良い。
すごく目を惹く文字盤カラーであり、腕元から覗くグリーンともブルーとも言えない絶妙な中間カラーは孔雀の美しい羽を思わせる。
価格を考えないのであれば、今年発表のデイデイトの中で一番人気を集めるであろう一本だ。
なんとも言えない魔力を感じる。
デイデイト 36 Ref.128395TBR ダイヤモンド入りホワイトマザーオブパール
定価 : 11,660,000円
デイデイト 36 Ref.128395TBR ダイヤモンド入りグリーンアベンチュリン
定価 : 12,134,100円
この文字盤も特筆に値するだろう。
アベンチュリンは石英の一種で、この中に他の鉱物が混ざっていることによってランダムなあらゆる反射を見せるという特徴がある鉱石である。
石英はクオーツのことで、クオーツ時計のクオーツであり水晶とも同義であるが、石英が綺麗に結晶となっているものを水晶と呼ぶ。
もはや説明は不要である。
美しいという言葉以外見つからないほど美しい緑色で、ロレックスがいかにグリーンをブランドカラーとして重要視しているかがわかる一本でもある。
見事だ。
デイデイト 36 Ref.128395TBR ダイヤモンド入りアイゼンキーゼル
定価 : 12,326,600円
アイゼンキーゼルもまた天然好物だ。
広義では石英の一種で、鉱石の中に酸化鉄が含まれることによってこのようなマグマが割れたような模様を出しているわけであるが、これもなんとも言葉にするのが難しい特徴を備えている。
鼈甲を濃くしたような色合いでもあるが、貴重な鉱石だということが分かる素材感である。
デイデイト 36 Ref.128395TBR ダイヤモンド入りターコイズ
定価 : 12,326,600円
ご存知ターコイズ。
ターコイズ文字盤はデイトナで初めて採用された文字盤で、2000年代初めのごろデイトナビーチという特別シリーズの一モデルとして使用されたのがこのターコイズ文字盤であるが、このサイケデリックな表情を見せるところがその魅力であり、ターコイズも色や質感によって全く違った価値を見せる。
デイデイトに、そしてエバーローズゴールドに採用されたターコイズ文字盤もまた所有欲をそそられる。
デイデイト 36 Ref.128395TBR パヴェダイヤモンド入りレインボー
定価 : 15,230,600円
うむ、もはや説明は不要だろう。
レインボーである。
まとめ
非常にたくさんのバリエーションが発表されたが、これがデイデイトやデイトジャストの特徴である。
あらゆるタイプの文字盤やそれに類する組み合わせの違いなどをバリエーション化し、ベースとなるラインナップ化はさせずに個人の好みや趣向に対応したモデルを製造するシリーズであるのだが、スポーツ系よりも特別なドレスっぽいウォッチが欲しい人におすすめなのがデイデイトやデイトジャストである。
今年も素敵なものがたっぷり発表されたが、目移りするシリーズであるとも言える。
優柔不断な人にとっては要注意なシリーズであるが、見るだけなら本当に楽しいのがデイデイトなのだ。