2024年 ベル&ロス 新作モデル
数年前はSIHHやバーゼルワールドなどの時計見本市が中止されるという自体に見舞われ、多くの時計ファンを混乱させ、そして非常に悲しい状況に追い込んでしまったということがありました。
見本市なしでの新作発表というものは味気ないものですが、腕時計の進化は何があっても止まらない。
何せ腕時計自体が時を刻むものであるから、時が止まり退化していくなんてことは腕時計界には御法度であるのだ。
僕がしばらく時計を忘れていた間にSIHHはWatches & Wonders Genevaという名称に変更されていたようだ。
それに伴い、というのかバーゼルワールド自体も消滅し、腕時計の見本市は実質統合された形となっている。
さて、そんな中で本ブログのテーマとなっているベル&ロスも当然2024年の新作モデルを発表したわけである。
BR03-92 ブロンズダイバー Ref.BR0392-D-LT-BR/SRB
こちらのモデル。
というリファレンスコードを与えられた1本で、コード名が示す通りブロンズ製、つまり銅を使用した腕時計ということである。
銅を腕時計に使用するのが、スイスの時計界でにわかに流行していて、パネライもまたブロンズ製のルミノールサブマーシブルを発表していたりする。
ベル&ロスは実は過去にBR0392というモデルを実は発表している。
当然ブロンズ製の一本であり、今モデルと比べ一見なんの変哲もないように見えるのだが、大きく違うのはベゼルである。
比べてみると印象が大きく異なる。
ブロンズとオリーブ色のようなツートン的な旧作に比べ、3色展開されたよりメリハリがわかるのが新作モデルである。
陽極酸化処理アルミニウムベゼルといったなかなかにパワーワードが与えられたベゼルが搭載されており、ダイバーズウォッチとして本格使用が許されたモデルなのである。
実際このモデルはプロのダイバーが使うことも想定して作られており、防水性は300メートルというなかなかに高いスペックを誇っている。
昨今の腕時計でいうと300メートルの防水性というのは珍しいことではないのかもしれない。
しかしこれくらいの防水性が保証されているということは、それ以下の水圧がかかる状況でもタフな使い方も想定内ということであり、ユーザーからすれば安心材料である。
300メートル潜る人なんてほぼいないだろうが、我々人間は保健的な意味合いがすごく好きなのだ。
ケースサイズは42ミリとなかなかに大きい。
それでいて四角いケースであるからそれは余計にそう感じるのではなかろうか。
近年の腕時計の巨大化の流行にあった存在感のある新作モデルだ。
因みに世界限定999本という数に限りがあるモデルで、定価は税込74万8000円という値付けだ。
BR05 アートライン 辰年 Ref.BR05A-DR-ST/SST
ベル&ロスも日本でだいぶ市民権を得たように思う。
知名度が数年前と比べ格段に上がってきたのである。
雑誌を眺めていてもベル&ロスの腕時計が頻繁に目に入るようになったし、ファッション詩でもモデルたちがカッコよく四角い時計、八角形の時計をつけているのを見かける。
世界的に知名度がまだもう少し頑張らないといけない部分はあるが、ベル&ロスは確実に実力をつけてきている今一番有望株の一つなのだ。
上記で紹介した銅素材の一本であるが、思い切って銅をケース素材にしたモデルを発表するというが面白いと感じた。
実は以前にもブロンズ製のモデルを作っていて、今回はカラーリングの調整ということで新作を発表したわけだが、銅を素材とした腕時計を発表するところはあまりない。
確かにパイオニア的なアイディアではなく、パネライやIWCなどもすでにブロンズ製のモデルを登場させてはいるのだが、冒険心という意味ではナイスな図らいであると思う。
そして2024年の干支であるドラゴンを新作モデルに投入してきたことに関してはそれ以上に賞賛に値するだろう。
このモデル。
かなりインパクトがある一本だ。
世界限定99本という、数に限りがあるモデルで、すぐになくなってしまうであろうことが予想される。
999本ならきちんと分配されそうであるが、99本となるとすぐに購入できなくなってしまうであろう。
ブティックとオンライン限定で購入できるみたいだが、そのあとは一般のECサイトなどで少量が転売されるのではないかと思われる。
そんなわけでドラゴンをモデルとしたフランスのメーカーであるが、干支がフランスにもあるのかというとそうではなく、中国市場を意識したアイテムとなっている。
半数は中国で買われるのだろうなと予想しているが、日本でも辰年生まれなら少し興味が湧いてしまうだろう。
仮に自身の干支と同じ限定品があったら買ってしまうのが人間の性なのではないだろうか。
細かな彫刻がすごい繊細ではあるが、これは手彫りではなくレーザー彫刻を施していると思われる。
ヴァシュロンコンスタンタンなどが得意とする彫金彫刻などのコンセプトウォッチなどは数千万円、数億円したりするが、ベル&ロスでも手彫りなどなら限定9本で400万円といった具合の数字になるのではないだろうか。
身にならない予想をしても意味がないのですが、話を戻すと価格は定価121万円ほど。
なかなかな価格ではある。
限定という価値が十分に詰め込まれている感じではある。
話題としては面白い、BR05を採用したというのも良い。
来年の巳年モデルがどんなもに仕上がるのか楽しみではある。
まとめ
やはりベル&ロスはどこか異質である気がする。
飛行機の計器をテーマとしているところもそうであるし、機械時計メーカーがメッカであるスイスに本社を移すのがその慣わしになっている中、頑なにパリから動こうとしない頑固さもまたベル&ロスの風変わりな様を表しているように思う。
テーマとしているコンセプトも面白いし、目指すところもユニークなのだろうということが腕時計を見ていて感じられるわけだが、今後が非常に楽しみなブランドの一つであることは間違いない。