なぜロレックスは五大時計ブランドに入ってないのか?
ロレックスは五大時計ブランドに入っていないのだろうか?
結論を言うと入っていない。
なぜか?
結論
完全に僕の意見ではあるが、それは歴史に他ならない。
こちらにガッツリと五大ブランドの特徴なるものを僕の独断で書いているわけだが、もう一度簡単におさらい。
パテックフィリップ / 1833年〜
創業者 : アントニ・パテック、 アドリアン・フィリップ
オーデマピゲ / 1875年〜
創業者 : ジュール・オーデマ、 エドワード・オーギュスト・ピゲ
ヴァシュロンコンスタンタン / 1755年〜
創業者 : ジャン・マルク・ヴァシュロン
ブレゲ / 1775年〜
創業者 : アブラアム=ルイ・ブレゲ
A.ランゲ&ゾーネ / 1845年〜
創業者 : フェルディナント・アドルフ・ランゲ
世界の五大時計メーカーの特徴として、やはりどれも歴史が古いことがわかる。
遅くとも19世紀の後半に設立されており、早いところは18世紀の中盤からすでにとてつもない技術的な進歩を成し遂げていた。
ブレゲに関してはもはやぐうの音も出ないくらいすごいブランドで、今の機械時計の歴史があるのはブレゲが存在したからである。
ルイ・ブレゲは人間の叡智の結晶を一身に集めたかのようなカリスマ的天才で、世界三大時計メーカーに入らずとも世界一の時計職人という称号を手に入れている。
と、なると、
世界一の技術や天才的な発想が世界一のマニュファクチュールに直結しないのであれば、ロレックスが世界五大時計ブランドに入っていない理由もまたその技術力や時計哲学が理由なのではない可能性が十分にあるわけだ。
議論する必要もないが、ロレックスは実用的な腕時計という面では世界一である。
精度や機能性、作り込み、繊細さ、
人気という感情論を捨てると残るのは理屈のみであるが、理詰めでロレックスを分析すると世界一の機械時計ということになるのである。
ここに個人的な”感情論”という矛盾を孕んでいるが、矛盾もまた道理なり。
大局的に見てロレックスがここまでの評価を得ているのはその実力という裏付けがあってのことであるし、デザイン面の観点でいうとA.ランゲ&ゾーネの美しさに敵うブランドはIWCやブレゲ、H.モーザーをおいて他にない。
そうなってくると、
五大時計ブランドはとてつもない存在であってあらゆる面で他社を圧倒する実力を備えていることは間違いないのだが、
全ての局面において全勝ちしているわけではなく各社がロレックスに劣っている点が存在するのもまた事実である。
特に昨今の人気に関して言えば世界で一番注目を集めていると言えるし、精度に関してもクロノメーター検定協会が課す試練の2倍の厳しい条件で合格したムーブメントしか採用しなかったりと世界一を誇る特徴をいくつも備えている。
だとすると、唯一考えられるのが、歴史という観点とランク付け自体が行われたのが随分と前である可能性があるということだ。
歴史に言及するならば、ロレックスは1905年という20世紀に誕生したブランドということになる。
19世紀と20世紀、歴史的な意味合いからすると随分と大きな違いがあるように感じる。
オーデマピゲの1875年と比べても30年しか違わないのであれば、完全に印象論的ではある。
もう一つの結論
そしてもう一つの理由が、僕はいつこの順位付けが行われたのかは分からないが、ロレックスがまだ人気がそこまでなかった時代に為されたものであるという可能性である。
ジェームズボンドがロレックスを映画で着用している頃はまだデイトナですらそこまで人気があったわけではないようである。
今でこそプレミアものは1000万円を優に超えるのが常識となっているが、このような時代背景にランキングが決められたのであれば納得がいく。
個人的な感想で言えば、ロレックスは世界五大時計に入っていてもおかしくない名ブランドである。
かといって、五つのブランドのどれかを外すことも出来るはずがない。
どれかを外せば、それがロレックスにとって変わるだけで、どうして世界の五つに選ばれてないのだという不満が湧く。
つまり世界五大時計ブランドは世界六大時計ブランドとするべきで、奇数ではなく偶数を設定するのもありなのではないかと思う。
世界には世界六大都市、世界六大大陸、世界六大文明というものもあって、選びきれない時はわざわざ5という奇数にする必要はないのである。
10の半分だからキリが良いのはよくわかる。
十進法が世界の基準になっているわけだから、5が心地よいのは感覚的にとてもよく理解できるのだが、6だって12の半分であり、世界の暦やそれこそ時間を計る時計は十進法ではあるが12が基準となる。
まとめ
と、まああまり意味のない講釈は置いておくとして、
結論として言いたいのはロレックスは世界五大時計ブランドに数えられるべきブランドであるということ。
ここではどれか一つ外せということではない。
世界五大時計ブランドαのような意味で追加して欲しいということであり、世界五大時計ブランドの中にメーカーが6つあるという発想である。
良すぎて選べなかったんだな、という面白い背景も生まれるのではないかと思ったのである。