ロレックス・歴代ジェームズボンド(007)が映画内で着用していたサブマリーナとプレデイトナ

サブマリーナ

ジェームズボンド(007)のロレックス

ロレックスといえば高貴な腕時計、というよりも高級な腕時計をより現代風に解釈したスポーツウォッチでありながら、誰もは買えないある一定の高いハードルが敷かれた質実剛健な小型精密機械といった感じ。

と感じるのは僕だけかもしれないが、当たらずも遠からずという感じであろう。

昔からロレックスは確かに人気であった。

ローレックスと呼ばれた時期などもあって、あらゆる有名人が着用し始めていた。

特にデイトナが生まれた60年代頃からその人気が顕著になっていき、人気の上昇とともにロレックスの時計哲学もより繊細で完璧主義的な、良い意味で神経質になっていったわけである。

現代のロレックスの細部にまでこだわり抜いた作り込みは、システム化された一貫性からも垣間見ることが出来る。

例え時計そのものを所有していなくとも、ブランド哲学に気付くには十分すぎるほどにロレックスはその匂いを振り撒いているのである。

ぷんぷんと匂う。

さて、今回のテーマはそんな60年代がキーワードとなるお話しである。

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こちらでも少々触れているのだが、007が初めて公開されたのはデイトナが登場する前年の1962年である。

最初に説明すると、007で着用されたロレックスは3種類である。

ではまず年代順に見てみることにしよう。

サブマリーナ Ref.6538 (ショーン・コネリー)

1962年 『007/ドクター・ノオ』


初代ジェームズボンドであるショーン・コネリーが着用していたサブマリーナがこのモデル。

1950年代後半から1960年代前半まで製造されていたサブマリーナの2代目であり、ケースに対してリューズが8ミリと大きいのが特徴。

ケースサイズも現代のものからするとかなり小ぶりな37ミリ。

腕の太い欧米人にはかなり不釣り合いなサイズ感であるが、これが当時は一般的だったのである。

シーンではこのモデルにNATOベルトと呼ばれるナイロンベルトを装着しており、ロレックスといえばブレスタイプといった常識とはちょっと外れた合わせ方をしている。

さらにベルト幅も細く、ラグとベルトの隙間からバネ棒が見えているのもなかなかにダサい。

後世にまで残るのであるから、もう少しきちんと衣装合わせして欲しいものである。

しかし当時の事情としては、この映画には予算がそこまでかけられておらず、当時のロレックスの人気も今ほどのプレミア感があったわけでもないのであまり真剣にリソースを割いていないのであろう。

逆に映画制作の時代背景がわかるいい資料になる。

とはいえ、僕はショーン・コネリーが大好きだ。

あんなにダンディな男性はそうはおらず、年齢を重ねたらあのようなダンディズムを目指したいものである。

サブマリーナ Ref.5513 (ロジャー・ムーア)

1973年 『死ぬのは奴らだ』、1974年 『黄金銃を持つ男』


さて、次のモデルを見てみよう。

1973年の『死ぬのは奴らだ』、1974年の『黄金銃を持つ男』で3代目ジェームズボンドのロジャー・ムーアが着用していたのがこのサブマリーナ。

1964年から1989年まで製造されていた人気のあった世代のもので、5世代目にあたる名機と呼ばれるマシンだ。

あまりに長い間製造されていたので、5世代目の初期モデルと最終モデルではムーブメントの変更など随分と仕様も異なる。

5513の変更部分などについてはまた別の機会にお話ししようと思うが、ロレックスでは息の長いモデルが時々あってその中であらゆるマイナーチェンジを行っているのである。

1960年代の良質な中古品を見つけるのは難しいだろうが、80年代の個体なら十分に手に入る数が存在し、価格も割と爆上がりしているわけではない。

プレデイトナ Ref.6238 (ジョージ・レイゼンビー)

1969年 『女王陛下の007』



そして最後はお待ちかね、ロレックスと言えば、なデイトナである。

あまり聞き覚えがない名前であるが、ジェームズボンドの2代目はジョージ・レイゼンビーだ。

1969年の『女王陛下の007』で着用していたクロノグラフがデイトナのプレモデルである。

1963年に正式にコスモグラフデイトナと名付けられたデイトナであるが、それ以前のクロノグラフは『CHRONOGRAPH』とは書いてあっても、『COSMOGRAPH』や『DAYTONA』とは書かれていないのである。

映画内できらりとクロノグラフをみせるシーンがあるが、やはり小ぶりで時計が小さく見えてしまう。

サイズは36ミリと、現代のデイトナよりも4ミリほど直径が小さい。

10%の差というのはかなり大きい。

さて、そんな大人気デイトナのプレモデルであるからして、さぞ価値があるのだろうと思われるが確かにそうである。

ただ、先ほども述べたように当時のロレックスは今ほどの人気や価値はなく、80年代はまだロレックスは有名で人気はあっても今ほどの奪い合いのような需要があったわけではない。

今じゃ考えられないがロレックスよりも人気の高い腕時計ブランドはたくさんあって、ロレックスが世界の腕時計人気を牽引する手の届かないブランドになろうとは誰が想像したであろうか。

まとめ

といった感じで、ジェームズボンドが映画内で着用していたロレックスの腕時計3モデルであるが、サブマリーナRef.5513以外は球数もかなり少なくなっており、良質なものはかなり高額であることが予想される。

往年の映画スターが着用したモデルということで価値が上がるということはよくあるが、ロレックスもその恩恵を確実に授かっている。

ジェームズボンドが着用したとなると、確実に価値あるブランドになる。

当時はまだそこまでの人気がなかったとは言え、その兆しはあったのであろう。

ジェームズボンドが愛用するものは価値が上がるという神話めいたものもあるし、実際そうなっている。

過去には日本のセイコーもボンドウォッチになったことがあるしトヨタの2000GTが使われたことがあった。

浜美枝さんが1967年の『007は二度死ぬ』でショーン・コネリーと共演しボンドガールとなったことも名誉あることである。

ちなみに2000GTはこの作品に登場している。

現代の007もジェームズボンドがどの車に乗って、どの腕時計を着用しているかが注目の的であるが、この流れはずっと続いていくのであろう。

木村拓哉さんの全てが注目されていたかのような感じである。

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ちなみにキムタクもデイトナ愛用者である。

というわけで、ジェームズボンドのロレックスでした。

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