グリーンサブがなぜ高いのかを考察する
ロレックスの中でどのモデルが一番好きだろうか。
みなさんにはそれぞれロレックスに対する思い入れや好みなどの嗜好があるだろうと思う。
スポーツタイプのロレックスの中では僕はデイトナがやはり一番好きであるが、サブマリーナの静かなスポーツ性というのにも興味が湧いてきた。
なんというか、スポーツタイプでありながらも、敢えて主張はしない、しかし逃れようがない抑えようがない自身のその存在感はひしひしと伝わってくる。
それがサブマリーナなのであるが、ブラックであるとややおとなしい。
ちょうどいい塩梅にグリーンベゼルのサブマリーナという選択肢がある。
ステンレススチールケース&ブレス、それに黒いベゼルという組み合わせはロレックスらしくてオーソドックスで良い。
しかしそこにもう少しアクセントが欲しいという好みもある。
僕はロレックスが2003年に投入したグリーンサブは痒いところに手が届いた良い例なんじゃないかと思っている。
ちょうどメルセデスベンツが4ドアクーペなるニッチな車種を投入したかのように。
ありそうでなかった4ドアクーペという市場は瞬く間にあらゆるメーカーへと波及していった。
フランクフルトだったかどこだったか、メルセデスがCLSを発表したのもほぼ同時期の2004年であった。
さて、こちらの記事を見ていただきたい。
あれから20年が経過した今、新型サブマリーナの価格で面白い点が認められる。
オーソドックスなブラックベゼルタイプの方が人気なのではないかと思ったら、グリーンベゼルの方が販売価格が上なのである。
定価に7万円ほどの差があるにしろ、現在の価格に30万円の開きがあるのは明らかに人気がなせる技だ。
例え本当にブラックベゼルの代わりにグリーンベゼルを作るのに余計にコストがかかっていたとしても、このような推移はしないだろう。
ブラックベゼルの方が人気なら、この程度の定価の違いならあっという間に逆転する事例は、ロレックスのデイトナにたっぷりと存在する。
ステンレスデイトナの人気がゴールドモデルに追いつきそうな時代もあったし、現にステンレスデイトナはコンビデイトナよりも高額で取引されている。
コンビデイトナの方が定価は上である。
つまり定価が理由ではないということだ。
では何か?
人気がそうさせているのはわかる。
しかしなぜグリーンベゼルにこうも人気が集中しているのかというと、おそらくはその希少性である。
結論
どう希少性が高いのかというと、
ロレックスには完全なグリーンベゼルを使用した腕時計がサブマリーナ以外には存在しない。
おそらくここが一番のキーポイントになってくると思う。
確かに定価は反映される。
しかし先ほども述べたように、この価格の原因はベゼルの色であると想像される。
現にグリーンサブマリーナの中でも一番高額なのが2代目のモデルで、2代目のみがグリーンダイヤルを採用している。
数が少ないことが希少性につながるならば、初代サブマリーナの方が高値で取引されるはずである。
しかし現在の市場の見方では2003年にで登場した初代LVはまだ十分に数があるが、新型(3代目)が登場したことで2代目の全身グリーンなモデルが希少性を増したものだと思われる。
あくまでも推測の域を出ないが、ロレックスの現在価格の比重は人気が一番重いのである。
そういう傾向にあるからして、グリーンサブには注目が集まりやすいのである。
実は昔、僕はサブマリーナは初代の方がかっこいいと思っていた。
グリーンベゼルとブラックダイヤルのメリハリのある色使いの方がかっこいいと思っていたのである。
しかし、今の感覚では、ベゼルとダイヤルが同色である方がまとまりがあって好きなのだ。
ホワイトゴールドのサブマリーナにブルーベゼルとブルーダイヤルのモデルがあるが、ちょうどあんな感じだ。
もしかすると、僕の感覚が変わったのも時代の影響を受けているのかもしれないし、時代の潮流が好んでいるのがベゼルとダイヤルに同色を合わせたものなのかもしれない。
となるとすると、2代目に人気が集まる理由がもう一つ存在することになる。
上述したもう手に入らないグリーンダイヤルという希少性と、『デザイン面の需要』という人気だ。
これはうろ覚えではあるのだが、昔はブラックダイヤルのサブマリーナの方が人気があった気がする
仮にそれが本当であったとすると、ロレックスが新型にブラックダイヤルを採用したことで逆にグリーンダイヤルの人気が出てきたということになる。
となるとすると、
新型グリーンサブにグリーンダイヤルを投下したとすると、初代のサブマリーナの人気が上がっていた可能性がある。
ロレックス的パラドックスである。
市場調査を行なったとしても、新型にはない要素に希少価値が見出されるという逆説的なジレンマだ。
ロレックスの過去のシリーズは実際そのような値動きをしているから案外本当にそうなるのかもしれないと感じた。