サブマリーナの価格推移と定価
ロレックスのサブマリーナが誕生して2023年で70年が経った。
ちょうどデイトナが正式に誕生する10年前には既にサブマリーナは存在していたのである。
1950年代といえばまだ戦争が終わって間もない、世界がまだ緊張状態であった時代で、クロノグラフなどの腕時計よりも潜水用のダイバーズウォッチなるものの方が需要が見込まれたのであろう。
サブマリーナの新作予想をしたばかりであるが、発表前には予想がどうなるか見てもらえたらと思うし、発表後はこの予想ハズレたねと言いながら笑っていただけたらと思う。
さて、そういったわけで今回はタイトルの通りサブマリーナの現行モデルの定価と価格推移を2年遡って見てみようと思う。
サブマリーナ デイト ブラック Ref.126610LN
定価 : ¥1,481,700
グラフ上の平均値 : ¥2,282,142
グラフ上の最安値 : ¥2,180,000
ECサイトの最安値 : ¥2,040,000
サブマリーナ デイト グリーン Ref.126610LV
定価 : ¥1,555,400
グラフ上の平均値 : ¥2,588,290
グラフ上の最安値 : ¥2,480,000
ECサイトの最安値 : ¥2,346,000
サブマリーナ ノンデイト(ブラック) Ref.124060
定価 : ¥1,318,900
グラフ上の平均値 : ¥1,949,986
グラフ上の最安値 : ¥1,898,000
ECサイトの最安値 : ¥1,774,800
いかがだろう。
全体的に値上がりは必至である。
黒いベゼルの2モデルに関してはデイト、ノンデイトで両方2年前のロレックスバブルの価格に戻ろうとしている。
単純に価格帯がそこまで高額でないのと、ブラックベゼルのモデルはグリーンベゼルよりも価格が低いので価格の絶対値という観点からも以前の水準に戻りやすいのであると思われる。
以前のサブマリーナとしては高いというイメージであるが、他のスポーツモデルからするとサブマリーナはまだ安い部類である。
ロレックスの以前の水準を知っている人たちからすれば過去のそのモデルを対象に価格比較するのに対し、市場はロレックス全体の中で比較するのである。
デイトナの高騰もあってか、心理的なブロックが無くなっているようである。
グリーンベゼルに関しては、まだ2年前のバブル価格に戻っていないが、右肩上がりのグラフが既にどうなるかを予想している。
全てのロレックスは高騰する運命にあるようだが、2020年のこれらの現行登場の頃からの定価を見てみるとデイトモデルのRef.126610LNは当時定価965,000円だったわけだ。
現在の定価が1,481,700円であるから50万円以上、割合にして50%以上値上がりしている。
定価が1.5倍ともなるとそりゃあ販売価格もそれ相応に、それ以上に高騰するのは当然の帰結ということになる。
ロマンティックが止まらないのはいいが、定価の上昇が止まらないのはよろしくない。
だがしかし、この定価の上昇は止まらないであろう。
なぜなら日本円の価値がどんどん落ちている上に、世界的なインフレは当然ロレックスの価格にも影響を及ぼす。
為替に関しては上下があるかもしれないが、インフレに関してはまず材料費、材料輸送費、人件費、宣伝費etc 全てが高くなっているわけであるから、完成する腕時計一本一本の価格に影響が出る。
インフレに伴い給料などの人件費なども上がれば良いのだが、残念ながら日本ではまだそんな状況にはない。
数年前に比べ時給やサラリーが若干上がってはいるが、それを上回る物価高騰でいわゆるスタグフレーションを起こしている状況なのである。
まるで戦後であるかのような、そんな状況だ。
当然完全にそういう状況であるというわけではないが、失われた30年はこうしてロレックスを購入するしない、のような身近な問題にも当然波及する。
まとめ
話が逸れてしまったが、サブマリーナという腕時計、実際、質実ともに申し分ないどころか、極上のシリーズであるからして価格相応の価値は当然ある。
これまでロレックスは逆に過小評価されていたのではないかと思っていたが、今では逆に若干高いなと感じるようになったのは過去のバイアスのせいであるわけだが、ロレックスはこういうものなんだなと慣れていく他ない。
実際、数年後に振り返って今の価格を見たら、この価格帯で”買えた”今を羨むかもしれない。
デイトナで全く同じことが起こったのであるから。