カルティエ タンク マスト / マストタンクを愛用する芸能人とそのモデル
カルティエの腕時計は全体的に上品である。
個人的に一番好きなのはサントスであるが、タンクのフランセーズもまた僕の好みの範疇にあり、今回紹介するタンクマストもまたそうである。
タンクという名前の由来は、タンクのサイドのフレームが上から見た時の戦車によく似ているからだそうだ。
キャタピラー部分が縦に二本並んでいるのがそう見えるという理由からタンクという名前が付けられたわけだが、確かに形状はそうなっている。
タンクのスタイルはラグがなくケースのサイドの縦棒がそのままストラップやブレスレットと繋がっている形状で、これがカルティエのタンクシリーズを構成している基本構造なのだが、これが高級な腕時計をいくつも生み出しているのである。
今回紹介するモデルはタンクの中でもマストという派生シリーズで、その始まりは1977年まで遡るわけだが、現代で再定義され展開される「タンクマスト」は当時の「マスト」の趣を崩すことなく伝統に立ち返った形でモダンなシリーズとして復活した。
それまでの歴史的なモデルの伝統を壊すことなくモデル哲学を洗練させて現代に蘇った形だ。
今回は芸能人が愛用するタンクマストやマストタンク、そしてそのモデルを紹介するわけだが、これがまたシンプルで上品なのである。
このモデルは直接的にジャガールクルトのレベルソと非常に良い勝負をすると思われるシリーズで、並んでいるとどちらが良いか考えてしまうほど良いライバル関係にあると言える。
こちらの記事でレベルソを愛用する芸能人について書いているので気になる方は是非一読ください。
というわけで、芸能人が愛用するタンクマスト、マストタンクを見てみることにしよう。
V(BTS) カルティエ マストタンク SM ヴェルメイユ ワインレッド
反町隆史 カルティエ タンク マスト ウォッチ XL Ref.WSTA0040
登坂広臣(三代目 J SOUL BROTHERS) カルティエ タンク マスト SM Ref.WSTA0042
井川遥、米倉涼子 カルティエ タンク マスト SM Ref.WSTA0051
黒木華、玉森裕太(Kis-My-Ft2) カルティエ マストタンク ヴェルメイユ LM Ref.W1002753
V(BTS) カルティエ マストタンク SM ヴェルメイユ ワインレッド
BTSのVさんが愛用する数ある腕時計の中にカルティエのマストタンクが存在する。
こちらの一本だ。
少々小ぶりのアンティークウォッチで、カルティエのテーマカラーである赤が文字盤に使用されているわけだが、小さいながらも存在感を醸し出している。
ゴールドとレッドの組み合わせもまた乙であるが、このモデルではアンティークさと相まってまたえも言われぬナイスな様相を呈している。
古さゆえの美、つまり侘び寂びの寂びの部分であるが、これがしっかりと感じられる一本と言えるわけだが、小ぶりなところがその良さをさらに強調しているように感じる。
強調というよりは上品に見せていると言ったほうが近いかもしれない。
現代の腕時計は大型化する一方で、中には小さい時計が好きな男性もいらっしゃる。
キスマイの玉森さんはチョイスする腕時計は基本的に小ぶりなものが多く、その中でゴールド素材を使用したものを上品にピックアップされ着用されている印象だが、小さな腕時計には小さいだけの良さがある。
主張しすぎないという主張だ。
小さい腕時計であると、存在感や主張を抑えることができるという点で、ゴールド素材の腕時計をド派手に飾ることなく使用できるというメリットがある。
この辺りは心情や個人の趣味によるところが大きいのであるが、小さい腕時計は総じて上品さをサイズによって失うことはなく、こじんまりとした優雅さを感じたり、または郷愁感に満ちたアンティークを腕元で楽しんだりと、腕時計の楽しみ方というものが大きいものと比べても少々異なってくる。
今回紹介しているモデルも赤い文字盤で金のケース、という言葉だけで聞けば派手さが目立ちそうな印象ではあるが、サイズや着用しているバランスなどの全体像を見るとやはりすごくおしゃれで品があるように見えるのである。
合わせるファッションにもよると思うが、こう言ったタイプの腕時計は冬にニットなどと合わせるとより素敵なのではないかと思える。
大きな腕時計は夏に、小さな腕時計は冬に、といったイメージが僕の中ではあるのだが、時計以外で身につけるファッションも時計の見え方に大きく影響を与えることを鑑みると至極当然なことなのではないかと思える。
何か上品な腕時計をお探しであれば、アンティークの小ぶりなカルティエなんてどうだろうか、と助言したい。
反町隆史 カルティエ タンク マスト ウォッチ XL Ref.WSTA0040
ケースサイズ41ミリというなかなか大きめなサイズの戦車だ。
時計のみを見ただけでは大きさが分かりにくく、カルティエの腕時計は特にそうだ。
基本的なデザインが決まっており、あまり大きな外観上の違いがわかりにくいタイプの腕時計であるからして、レディースモデルに多い印象のある腕時計シリーズをパッと見ただけでは実際よりも小さいモデルなのだと思ってしまう。
しかしこのモデル、すごく良い。
縦棒が二本並んでいるだけ、というと語弊があるかもしれないが、構造がシンプルなので腕時計全体が非常にシンプルに構成されており、文字盤のデザインとも合わせると良い意味で簡素な腕時計デザインにまとまっている。
何度も言うが、すごく上品で、70年代のシンプルな作りが現代で蘇ったということが一目でわかるような気がする良いデザインだ。
カルティエといえば、な要素が全て投入されており、ブルースピネルのカボションリューズがより一層おしゃれに見える。
この時計の一番目立つ部分はやはりリューズであると思うが、ケースやダイヤルなどが基本的にシンプルなので、ブルーに輝くリューズがすごく良いアクセントになっている。
大きめなタンクではあるが、大人の上品さは失われておらず、ずっとつけていられる腕時計してこのシリーズを男性の皆さんにおすすめしたいと思える。
カテゴリ違いであるかもしれないが、ジャガールクルトのレベルソと本当に良いライバルになるだろうと思える数少ないモデルだ。
登坂広臣(三代目 J SOUL BROTHERS) カルティエ タンク マスト SM Ref.WSTA0042
三代目 J SOUL BROTHERSの登坂さんが愛用するタンクマストはこのモデル。
そう、29.5×22.0ミリという小ぶりな一本。
このサイズ感、やはり独特の着用感や上品さを醸し出すため非常に人気があることが窺える。
腕時計が大型化されているとはいえ、モデルやシリーズによっては小さい方が好まれるという傾向が非常によくわかる例だ。
登坂さんは若干派手めな腕時計がお好みで、こういったシンプルで質素な腕時計は着用されないのだと思っていた。
しかし登坂さんが選ぶのであれば間違いなく良質で上品で素晴らしいポテンシャルを持った腕時計であると言え、タンクマストの良さが再認識されるようだ。
元々良い時計であることは感じてはいるが、一回り小さな腕時計、しかも派手さが皆無であるシリーズがここまで幅広い層に、しかもロレックスやゴールドの腕時計を愛用する方々が着用しているとなるとタンクマストなどのシンプルで大人っぽい腕時計はやはりこのサイズ感で使用するのが一番良いのだろうということがわかってくる。
特筆すべき点が機構上何もないわけだが、カルティエのオリジナルの要素を存分に纏っているだけにそれが最高の武器になる。
小さいながらもサイズ以上の存在感が感じられ、このサイズだからこそ出せるオシャレさや高級感というものがひしひしと伝わってくる。
BTSのVさんのモデルもそうだが、僕もタンクマストをチョイスする場合は小ぶりなモデルをチョイスすると思う。
井川遥、米倉涼子 カルティエ タンク マスト SM Ref.WSTA0051
カルティエとステンレスブレスの相性は抜群である。
ロレックスのそれよりも上かもしれない。
ブランドによってレザーストラップやステンレスブレスのそれぞれが多いメーカーがあるのだが、例えばロレックスはブレスレットタイプが多いメーカーであると言える。
ジャガーガルクルトやパネライはレザーストラップが多く、ウブロは完全にレザーストラップが多い。
カルティエに関していえば若干ブレスレットタイプが多い印象だろうか。
そんなカルティエであるが、あらゆるシリーズでレザーストラップなどもバリエーションが散見され、そっちのタイプもおしゃれで素敵なのだが、カルティエの腕時計にはやはりメタルブレスが一番よく似合うと思うのである。
今回紹介しているモデルでは特にそう思える。
確かに上記で紹介してきたモデルはレザーストラップばかりであり、付けやすさやスッキリとした印象という面や、ストラップの付け替えなどでおしゃれを楽しめるという意味ではまた新しいニーズがあるかもしれない。
しかしカルティエの売りはやはり大人っぽさや成熟性、そして上品な品格であり、そういったブランド独自の武器を最大化しようと思えばやはりステンレスブレスが一番効果的なのではないかと思う。
ケースデザインが優れているので、どちらのタイプもおすすめではあるのだが、ステンレスブレスのモデルを見るとやはり「おっ」と腑に落ちる感覚を受ける。
あらゆる面でカルティエにはステンレスブレスをおすすめしたいと思うわけだが、タンクマストにもSSブレスがやはり一番似合うのではないかと思うのである。
黒木華、玉森裕太(Kis-My-Ft2) カルティエ マストタンク ヴェルメイユ LM Ref.W1002753
カタログの表記ではレディースモデルとのことみたいだが、実際はボーイズサイズという感じだろう。
上記で色々と紹介したように、30ミリサイズのタンクはもはや男性が使ってもおかしくないサイズ感ということになる。
これがウブロのビッグバンや、ロレックスのデイトジャストなどならレディースモデルということになるのだろうが、腕時計は形状やモデルやシリーズによって男女どちらか用というふうに分けられるサイズが変わってくる。
カルティエの腕時計を愛用する芸能人を見ているとそれが顕著にわかる。
ジャガールクルトもそうかもしれない。
デザイン的に男性ぽさ、女性ぽさという特徴がはっきりとないシリーズであれば、あとは個人の感覚で時計を選ぶことになる。
僕の知人もそうであるが、大きな腕時計よりも37ミリ以下くらいの腕時計を好む傾向にあり、彼はアンティークなものが好きだったりするのだが古い腕時計は総じて現代のものよりも一回りも二回りも小さい。
戦争映画などを見てみても、軍人が着用している時計はかなり小ぶりだ。
時代背景からするとそれが一般的だったのだが、それゆえに小さい腕時計というだけでモダンさよりも古き良き時代のアンティークさを醸し出すことになる。
祖父がしていた腕時計も小ぶりだったし、当時の時代や空気がその小さなケースにぎゅっと凝縮されているような郷愁的な感覚が味わえるような気がしたものだ。
今回紹介しているゴールドのモデル、小さくておしゃれだし、ベルトを付け替えたりして雰囲気を変えて楽しんだりすることができるだろう一本。
クオーツで非防水であるところもまたそそられる。
まとめ
という感じで芸能人が愛用するタンクマストを見てみたわけだが、やはりこのシリーズというか、カルティエはどこか特別な雰囲気を纏っている時計ブランドなのかもしれない。
モダンで上品で品位のある腕時計を多数生み出している高級メゾンがカルティエで、現代の腕時計業界の中でも一際存在感を放つブランドに育っているわけだが、生み出す時計には他のメーカーに出せない何か特殊な空気を纏っているように今回感じたのだ。
大きな時計が重宝される中で、シリーズによっては小ぶりな腕時計が好まれるというモデルが多数存在し、メーカー総じて全体的に腕時計が少々小ぶりなのだろうと感じたわけだが、それゆえにデザインの素晴らしさも相まってカルティエには極上の上品さが感じられる。
おそらくはそこがカルティエが持つ価値であり武器であり、高級メゾンとして歴史ある伝統を培ってきた結果なのだろう。
歴史あるブランドにはやはり時の重みがあるし、生み出される製品にもそれが感じられる。
メーカーというより、ブランドというより、メゾンと呼ぶ方がよりしっくりくるのがカルティエで、カルティエが生み出すアイテムからは言葉では表せない品位を感じることができる。
今回紹介しているタンクシリーズからも同様の品格が滲み出ており、腕に着用している姿はやはり非常に上品である。
まさに大人の腕時計といった感じで年齢を重ねるごとに似合ってくるタイプのシリーズと言え、時が経てば経つほどより本人にフィットしていくのだろうと思う。
ずっと使いたい上質な腕時計をお探しならタンクマストはマストなモデルかもしれない。