オメガ おすすめスピマス2モデル
オメガのスピードマスターはものすごく特徴的だ。
今でこそスピマスに似せたような、というかデザインをベースにした一般的な腕時計がたくさんあるが、スピードマスターのデザイン性が幅広く認められている裏返しだと思う。
ルイヴィトンもコピー商品がたくさん存在していはいるが、それだけ影響力がある裏返しだと言えるだろう。
オメガのスピードマスターの特徴的なデザインというのは、丸型のケースに黒いタキメーターベゼル、バランスの取れたクロノグラフのインダイヤル。
モデルによってインダイヤルの位置が変わっていたりするのだが、それは中に入っているムーブメントに違いがあるからで基本的には逆三角形に位置するような配置になっている。
左右対称で美しいと感じる。
ステンレスのシルバー色、黒いベゼルと黒い文字盤、文字類は白、といった本当に必要な色しか使われてない分美しささえ感じてしまう。
これを基本デザインとし若干の違いを出しながらバリエーションをたくさん増やしていったスピードマスターだが、僕はその中でもとりわけ好きなバージョンがある。
スピードマスター ブロードアロー Ref.3551.50
それはブロードアローと呼ばれるモデルで、時間を指し示す針が太く矢印のようになっているモデルだ。
このモデルの多くは黒いベゼルが使用されているわけではなく、ステンレス素材がそのままベゼルとしてデザインされているのだが、そこがこのモデルの一番好きな部分なのだ。
確かにオメガのスピードマスターは上述した通り黒いベゼルと黒い文字盤が特徴的な、クロノグラフのオーソドックスを作ったようなデザインであるのだが、それだけに今回のお話ししているブロードアローモデルはスピードマスターとはちょっと遠い親戚のような感じがして別物を愛でる感覚になる。
言うなればおじいちゃんの兄弟の孫、つまり又従兄弟のような存在だろうか。
ロレックスの昔のデイトナにも似ている点がさらなる高級感を感じさせるのもまた事実。
4桁5桁リファレンスのデイトナにはこういったモデルがあるし、一瞬だけだとそう見えてしまうこともある。
(5桁モデルならまだ普段使いしてる人はいるが、4桁デイトナはあまり市場に出回っておらず所有してても高額なので普段着用している人を見かけるのは皆無)
僕が全身ステンレスな腕時計が好きなのは、オーデマピゲのロイヤルオークの無機質な機械機械した腕時計が好きだからというのもる。
言葉では言い表せないあの冷たいデザインに最初惹かれ、その後ノーチラスやセラミックベゼルが登場するまでのデイトナに惹かれ、それと同時にブロードアローのようなスピマスに惹かれ、メリハリがない一連のステンレスブレスレットのような腕時計が今でもすごく好きなのだ。
そういった面で言うと、カルティエのサントスも好きだし、ベル&ロスやルミノール、IWCのインヂュニアなどのステンレスブレスモデルも大好きだ。
であるから、オメガのスピマスにもステンレスベゼル&ブレスのモデルがあって本当に良かったと思う。
オメガは数々のバリエーションを生み出している時計メーカーで、ロレックスの決まったモデル内で微妙なマイナーチェンジを続けるスタイルとは少々違う。
その分オメガには痒いところに手が届くような個々人のためのバリエーションを用意している。
ブロードアローに関しても文字盤やブレスレットやインデックスや針などに違いがあって最新のムーブメントを載せた57年の復刻モデルなんかも用意されていたりする。
僕としてはRef.3551.50のような少し傷んだ6桁リファレンスのやつが好きで、ブロードをアローしてる感覚が一番感じられるがこういったアンティークモデルなんじゃないかと思えるのである。
スピードマスター クロノグラフ Ref.3510.50
そしてもう一つ好きなヴィンテージのモデルがある。
オメガのスピードマスターといえばリファレンス番号(腕時計の型番)の数字の羅列が非常に長くてごちゃごちゃしている印象だが、実際ごちゃごちゃしている。
一体何桁あるのかもわからない現代モデルだが、型番にはしっかり意味があるんでしょう、多分。
というのは冗談で、当然リファレンス番号には型番や素材などに関するデータがしっかり刻み込まれている。
その辺りに関してはまた後日説明するとして、スピマスに関してのリファレンス豆知識を一つお話ししよう。
型番の最初に3が付いていたらそれはオメガではスピードマスターを意味する。
以上。
近年の長いリファレンスを持つモデルもそうだが、20世紀に製造されていたTheスピードマスターのようなオーソドックスな短い型番モデルもまた3で始まる。
今回お話するモデルはなんと1988年頃から20年も製造されてたというやつで、方々に散らばっているタイプの1モデルと言えるだろう。
僕らが過去に憧れとして見ていたのはこのモデルであった可能性もかなり高い。
6桁リファレンス、39mm、プラスチック風防、自動巻き、懐かしさを感じる方もいらっしゃるのではないだろうか。
20年の製造期間の間には多少仕様が変更されたこともあるが、初期製造のモデルは今では禁止されているトリチウムの夜行塗料が使用されていたそうだ。
1988年から始まる20年製造であるから初期頃製造されたものには状態の悪い個体もたくさん存在する。
ただ、よく聞く話としてヴィンテージカーやヴィンテージウォッチなどなど、日本人は世界的に物を大変大事に扱う人種なので、気候のハンディキャップを背負っていながら状態の良いものがいろんな分野で数多く存在するそうである。
ものを大事にする文化はやはり価値あるメンタリティとして残しておきたいものだ。
とは言え、トリチウムモデルなどの初期生産品は今から40年近く前のものであるため小傷はやっぱり否めない。
プラスチック風防もやはり現代のサファイアクリスタルの感覚でいくとやはり古さを感じさせる。
当然それこそがヴィンテージへの愛着を分ける部分だと思うのであるが、実際昨今の機械時計ブームや市場の価格動向にオメガも影響を受けている。
状態が悪いものが多いのもやはり割安で販売されていた部分があるために少々粗末な扱いを受けていたことがその理由の一つだと思うのだが、ヴィンテージ時計としてRef.3510.50も価格が上昇し続けている。
まだまだ50万円以下で買えるものが多く、その辺りはありがたいといえばありがたいが、僕が時計を色々探していた10年前に比べて15万円くらいは高くなっているような気がするのは気のせいではない。
もう一つ言い忘れていたことがあるのだが、それは初期モデルのブレスレットはそれ以後のものとは少々デザインが違うということ。
簡単に説明すると、中央のブレスコマの幅が広くなっているのがその大きな特徴だ。
感覚でいうとコブラのお腹のような感じに似てるかなといった印象。
こういう細かな違いが見受けられるのもヴィンテージの良さではあるが、ヴィンテージ品には好みもあるだろう。
まとめ
というわけで締めくくりであるが、
何を隠そう僕は車も時計もヴィンテージよりは最新モデルの方が好きで、古いモデルにはそれなりの良さは感じるのですが、サブ機としてのコレクション性の方に存在意義を見出すタイプである。
古い個体をメインとして愛用するのではなく、メインがあってのコレクションという愛で方の方がヴィンテージにはあっていると感じるのだ。
とは言えここで紹介している通り、スピードマスターに限っては最近のセラミックやチタンなどを使用したテクノロジーを駆使したモデルよりも過去のステンレスモデルの方が圧倒的に好きである。
ブロードアローのステンレスベゼルのモデルなんてよだれものだ。
そういうわけでヴィンテージのスピードマスターはクロノグラフとして完成されているし、今後球数が減っていくことと機械時計相場の上昇、インフレ、などを考えると50万円以下で手に入るのはまだまだ良い機会に恵まれているのかなという印象である。
スピマスは古いモデルに限る。