オメガ・スピードマスター NASAを支えたムーンウォッチ・30代40代50代でも恥ずかしいわけがない

オメガ

何歳でもスピードマスターは恥ずかしくない

驚いた。

久々に時計業界に戻って見ると腕時計の値段が全体的に底上げされているではないか。

ロレックスやパテックフィリップなどの超がつく高級時計メーカーに限っては桁が変わっている笑

投資目的の買いが先行したということだろう。

投資としての腕時計も良い、良いのではあるが、やはり腕時計は身につけてなんぼというところもある。

僕がスピマスがタイムレスなクロノグラフだと明言しているのも、少年や若い男性たちが時計に興味を持つ段階で確実に目を奪われるモデルの一つにスピマスがあげられるからだ。

僕自身、腕時計が中学生高校生の頃から好きなのであるが、最初に好きになったモデルがやはりオメガのスピードマスターだったのである。

IWCのポルトギーゼにも惚れ惚れしたのを覚えているが、基本的にインダイヤルがいくつか配置されたクロノグラフという形状が男心をくすぐるのではないかと思っている。

タキメーターベゼルのあるなしで表情が大きく変わり、ドレスクロノ、スポーツクロノといった具合にカテゴリ分けして各時計メーカーのモデルをネットサーフィンするのも時間を忘れる趣味になりうる。

(実際、カーセンサーなどで中古車、楽天で腕時計、といった具合によくやっている)

さて、今でこそクロノグラフ同等にシンプルな3針モデルにも興味があるわけだが、年齢を重ねてもスピマスを卒業できないのはやはり、「クロノグラフといえば」 のデザインを地で行くのがスピードマスターの基本形だからだろう。

丸型ケースにタキメーターベゼル、バランスの取れた配置のインダイヤルがちょうどいい塩梅のサイズ感でまとまっており、

ステンレス素材のブレスレットなど、大人の腕時計に憧れる少年は多いが「Theクロノグラフ」をそのまま体現しているスピードマスターはやはりずっと男心をくすぐるのである。

入門機として無理なく手に入れることができる憧れの腕時計の一つとして大学入学祝い、成人祝い、就職祝いなどにプレゼントとしてよく贈られていたのがスピードマスターであり、その時代をスピードマスターへの憧れや実機そのものと実際に共に歩んでこられた方はたくさんいらっしゃるのではないかと思う。

今でこそロレックスやウブロ、もしかするとパテックフィリップやオーデマピゲをメイン機として使用している人も昔はスピマスだったというパターンも見受けられるだろう。

スピマスの良さは上述したタイムレスなデザインと、高級品としての位置付けにありながらも手に入れやすい存在という、願望と現実との境目で物欲をこちょこちょとくすぐってくるところにも見出すことが出来る。

手に入りそうになると余計に欲しくなるのが人間のサガというものだ。

オメガのスピードマスターはデザイン面もさることながら、歴史が築き上げてきた実力やそれに付随する評判、そしてそのユニークな存在をお手頃価格で手に入れることが出来そうだという心理的な面からもワクワクさせられるのでる。

そしてスピマスにはたくさんの選択肢が用意されている。

まずは外観での選択肢。

基本スタイルは保ちつつ、細部や、時に大々的にアレンジを加えたモデルが多数存在し、製造技術加工技術の向上で例えばセラミック素材のベゼルの流行をいち早くスピマスにも取り入れたりと、デザイン面だけでもパターンは無限に生み出される。

時代の流れに合わせた、しかし原型はとどめた21世紀のスピマスをオメガはジャンジャン市場に投入している。

一方で限定生産品なども多数存在し、限定モデルでありながら全世界のオメガファンが肩を張らずサラリと身につけることが出来るような、いわゆる日常の贅沢ラインをギリギリ攻めるようなところもスピマスの良いところである。

車で言うと、フェラーリやランボルギーニではちょっとした峠を攻めるには不安があるが、ベンツやBMWのコンパクトセダンやクーペなどでは十分に走り込めるといったような位置付けがスピマスの存在意義の一つなのではないかと思う。

良い意味でカジュアルなのだ。

もちろんあくまでも個人的な感覚だが、日常のゆるい贅沢という余裕ある姿を見せつけるにはスピマスは持ってこいなのである。

僕がスピマスこそタイムレスなクロノグラフだと言う理由はまさに時代を超えてオリジナルのオーソドックスデザインが今も愛されているという点に他ならない。

1957年に登場して以来ベースデザインはほとんど変わっておらず、むしろヴィンテージの方が好まれる傾向にもある側面を鑑みると、ポルシェの911と共通項を見出すことが出来る。

テクノロジーに限っては新しいものが優先され重宝されるが、こと機械時計に限ってはありがたいことに古ければ古いほど価値があるという見方も出来、時間のふるいにかけられ生き残ってきた歴史という裏付けのあるオメガはそれだけで購買意欲をそそる存在である。

これは女性がエルメスやルイヴィトンなどの歴史あるヨーロッパブランドを好む感覚と全く同じことであろう。

なんのこっちゃ抹茶に紅茶

そんなスピードマスターであるが、巷ではよくこんなことを耳にする。

『スピードマスターを30代でしてたら恥ずかしいとか、40代でしてるなんて』

といった声だ。

僕からしたらなんのこっちゃ抹茶に紅茶、といった具合だ。

何歳で何してたらすごい、とか何歳で何々してたらダサいとか、そういった考え方自体が他人を自分の人生の中に無駄に介入させるという、いわゆる最近の流行言葉でいうところの他人軸で生きているということに他ならない。

自分がしたい腕時計をすることが一番幸せな生き方であり、したいファッションを他人の目を気にするあまり出来ないといった思考に支配されていると、将来必ず後悔することになる。

ビルゲイツの腕時計と自信の現れ

ビルゲイツなんて、カシオの電波時計を日常的に着用している。

自信の現れだ。

僕の周りにいる富裕層の方々の多くは身につける腕時計に対して執着していない。

30年前に買ったオメガのコンパクトな腕時計を大事に使い、普段はメルセデスの新型のクーペを愛車とされている。

倹約的だけど使うところはビシッと少しだけ使うといったメリハリのある賢いお金の使い方をされてる方だなという印象である。

上述しているが、オメガの良さの一つはそのタイムレスなTheクロノグラフといったデザインにある。

価格帯的にも無理なく日常使い出来る腕時計で、ある程度の高級感もある上に世間でも高級と認められたブランド力と歴史があります。

スピードマスターは日常使いにはちょうど良い高級ブランドなわけですから、それを普段使用しないなんて逆にもったいない気がします。

とある地元の田舎の議員さんは昔購入したというロレックスのコンビデイトジャストを墓掃除でも農作業でも身につけていると、究極の普段使いをしていました。

こういった使い方こそが僕が求める腕時計の在り方で、ノーチラスやロイヤルオークなどの超高級モデルや、トゥールビヨンや永久カレンダーなどの繊細な機械が入っている場合は少々TPOを合わせた方が、リスクヘッジ的に良いとは思いますが、デイトやクロノグラフなどの一般機構モデルであれば、自分が好きならそれを貫いてほしいというのが僕の意見。

自分を通す

自分がダサいと思わないのであれば誰がなんと言おうとそれを通せばいいのです。

そもそも、世間で言われてるであろうという意見は思い込みである可能性も十分にある。

僕なんかは冠婚葬祭の葬で18Kのイエローゴールドのジャラジャラデイトナを着用している人を見てもなんとも思わない。

腕時計が好きで派手なものが好きなんだな、くらいにしか感じない。

カッコいい腕時計であることは間違いないので、逆に話しかけて腕時計を見せてもらうかもしれない。

葬儀などでは、神妙な面持ちで物静かにしていることが良いとされていますが、実はほとんどの人がそういう風に ”したほうがいいだろうな” という誤解をしていて、実際はみんな集まってワイワイと故人の生前についてキャッコラ思い出話を楽しみたいと思っているはずです。

みんなはこうだろうな、という思いは取り越し苦労であることも多く、実際は30代、40代、50代、またはそれ以上でオメガやタグホイヤーをしているから恥ずかしいという考えは、世間はそう思っているんだろうな、という全く誰も思っていない杞憂である場合がほとんどだ。

仮にそんなことを指摘する人がいたとしよう。

相手に対して年齢で着用する貴金属類に関する否定的な意見をする人の方がおかしいとは思わないだろうか。

そういう固定観念を持っている人とは距離を取るべきだと思いますし、”べき” をたくさん持っている人は往々にして幸せでない場合が多い。

まとめ・「脱”べき”」

つまり、何歳だからスピマスは着用すべきじゃないという ”べき” も外していきましょうということだ。

現代人は 脱”べき” をすればどれだけ楽になることか。

オメガには立派な歴史がある。

美しく名機と呼ばれるムーブメントがあり、ムーンウォッチとしてNASAの偉業を支えてきたという歴史があり、クロノメーター認定とMETASの基準を超えるとてつもない性能を誇っているし、耐磁性に関してはロレックスの10倍の能力を持った世界一のメーカーである。

その礎を築いてきたスピードマスターはオメガの歴史そのものであり、スピードマスターを否定することはこれらの偉業を否定することである。

恥ずかしいなんて到底言えないのである。

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