2024年 新作デイトナ
ロレックスの新作が発表されて、世界中の時計ファンが狂喜乱舞するのがウォッチ&ワンダーズが開催されるこの時期であるが、以前は時期が少々違っていた。
あらゆる世界情勢の影響で世界の時計見本市の場が変化してきている。
ウォッチ&ワンダーズがバーゼルワールドだった頃はまだ3月中に開催されることが多く、今よりも1、2週間早く開催されていたものだ。
この1、2週間という期間は時計ファンにとってはとても長く苦しいもので、今か今かと待ち望んでいた新作発表がようやくなされた今時計ファン、特にロレックスファンの皆さんは興奮しっぱなしなのではないだろうか。
実際僕もそうだ。
特に日本でこの時期にズレが生じると、新年度をまたぐことになるので、あらゆる状況が変わってくるのである。
企業などの始まりをどの月に設定しているのかでも買い付けや出張などの状況も大きく変わるであろうし、一ファンとしてもやはり早く新作を見たいのである。
さて、一足先にパーペチュアル1908の2024年の新作モデルについて書かせたもらったが、ドレス系が気になる方はぜひ一読いただきたい。
というわけでお待ちかねのデイトナの新作モデルを3つ紹介したいと思う。
デイトナ ホワイトゴールド ダイヤモンドベゼル パンダ文字盤 Ref.126589RBR
とうとうデイトナがラグジュアリーの域を超えてとんでもない進化をしているようだ。
ベゼルにダイヤモンドを携えて2024年の新作発表の場にやってきたわけであるが、ゴージャス極まりない一本でる。
これまでデイトナにはダイヤベゼルは存在していたが、2024年はよりゴージャスになって帰ってきた。
といってもこれまでに全くなかったものを発表しているわけではなく、バリエーションの近いを作っている感じではあるので目新しさを感じない人もいるのかもしれない。
ただ2023年に発表され新作デイトナでゴージャスなRBRモデルが発表されたということに意味があり、去年のデイトナ新型化からも今年のRBRかTBRかは予想していた人も大勢いるのかもしれない。
こう行ったゴージャスなモデルはシリーズのメイン作品というわけではなくあくまで注目を集める客引き的な意味合いもあるためステンレスのオーソドックスモデルと比べると若干人気が劣るわけであるが、それでも十分に注目に値する美しいスポーツロレックスと言える。
ちなみにRBRとは『Rolex BRilliant』の頭文字を取ったものでダイヤベゼルのモデルはこのようなアルファベットの略称がリファレンスの末尾に追加されるのである。
RBRと聞いて思い出すのは『Red Bull Racing』であるが、レースと関係のあるデイトナであるからこれを機にルマン24のみならずレッドブルともコラボして欲しいものである。
デイトナビーチが由来のデイトナであるがそのことに少しだけ触れている。
デイトナが珍しく外部の何かとコラボした新作デイトナルマン24であるが、それについてはこちらの記事を参照していただければと思う。
という感じでデイトナがレッドブルとコラボしダイヤベゼルを組み込んだモデル Ref.1265X9RBRRBRを発表すれば話題になること間違いない。
このようにRBRをレッドブルレーシングだと思うのは車好きF1好きしかいないだろうが外部コラボはちょいちょいやってもらいたい気もするが、現在のように自社のみで完結するブランド体制でも良いかなという思いもある。
ロレックスは閉鎖的な企業でありそこがまたロレックスをロレックスたらしめる理由であるので無闇にコラボしない方が良いのかもしれない。
ちなみにロレックスは企業は企業でも財団法人という法人格であるため株式会社のような情報公開などの義務がない分、ミステリアスに見えるわけである。
セキュリティも刑務所以上のレベルだと言われており、金も自社生産・自社鋳造という完全自社製を取った唯一の時計メーカーとされている。
ロレックスのレベルの違いがここでもわかる。
さて、話をデイトナ ホワイトゴールド Ref.126589RBRに戻すとしよう。
このモデルの特筆すべき点はダイヤルにあると思う。
もはや説明の必要もないくらい目立っているが、文字盤がホワイトマザーオブパール、インダイヤルがブラックマザーオブパールで構成された、大人気パンダ文字盤を採用しているのである。
白蝶貝と黒蝶貝でデザインされたコントラストの効いたパンダダイヤルは見事であるし相当に手間もかかっているのだろうと思う。
ロレックスはメテオライトなどの隕石文字盤や今回のようなホワイトマザーオブパールやブラックマザーオブパールのようなパールダイヤルをあらゆるモデルに採用しており、デイトナ基本的に文字盤の遊び場としてロレックスは重宝しているシリーズであるので、このようなタイプのモデルが登場するのは必然だったのかもしれないが、
白と黒の蝶貝を使用してこのようなコントラストを生む文字盤を作り出そうとはナイスなアイディアという他ない。
ロレックスは天然のものを使うことに関しては世界一かもしれない。
あらゆる素材を使用し、必要ならば新しい素材を作ってしまうウブロに対し、自然界天然界のものを最高の技術で丁寧に仕上げるロレックスはここでも違った対比ができるのではないかと感じた。
全くもって見事な新作デイトナである。
さて、気になるお値段であるが、定価は8,858,300円がメーカーより設定されている。
うん、1500万円コース。
いや2000万円かも。
では次。
デイトナ ホワイトゴールド ダイヤモンドベゼル 逆パンダ文字盤 Ref.126579RBR
さて次は先ほどの一本と比べると対比が面白いかもしれない。
文字盤はホワイトマザーオブパールのダイヤルとブラックマザーオブパールを反転させた逆パンダダイヤルにないっているのだ。
僕はこの逆パンダも大好きで、クロノグラフではあらゆるブランド関係なくパンダと逆パンダは常に人気モデルになりうる。
綺麗なクロノグラフを作るIWCのポルトギーゼの逆パンダモデルなんて絶品である。
価格も安価で非常にお勧めの一本だ。
さて、デイトナの逆パンダであるが、こっちのダイヤルも先ほど同様、貝でこのようにスタイリングしたのは初見である。
ロレックスは最近発想がこれまでより豊かになっている気がするが、デザイナーや商品を企画する人材がこれまでとは違うのかもしれないと感じた。
新しい風を巻き起こすべく、新たな窓を解放したようなイメージであるが、ロレックスの新作がこれでもっともっとエンターテインメント性を帯びてくるであろう。
問題は価格帯である。
これ以上に高騰し一般的に買えない価格になると注目度は落ち着いてくるような気もするのである。
さて、オイスターフレックスのRef.126589RBRに比べこのモデルは標準がブレスレット仕様になっている。
この辺りでも両者に違いを持たせるように仕掛けたのだと思われる。
ホワイトゴールドを使用している分定価は一気に跳ね上がるのだが。
今モデルの定価は10,103,500円と14%も高い。
素材価格ということでしょうがない部分であるが、市場に出回るときには価格差も差額の割合も大きくなっているのではないかと思う。
デイトナ ホワイトゴールド ダイヤモンド Ref.126539TBR
そして2024年新作デイトナ3つ目はこれ。
ケースからベゼルからあらゆるところにダイヤモンドが埋め込まれたとてつもない豪華さを演出する一本である。
しかし基調となる色を寒色系、とりわけ白/シルバー系にまとめてあるのでいやらしさが全くない豪華さが最大限引き出されているように思う。
中央に豪華さをアイコンとして主張するようにオイスターフレックスのシリコンストラップを合わせているところもにくい。
この部分をブレスレットタイプにしていたら見た目に重すぎる印象を与えるだろうと思う。
この辺りの細やかなところに抜かりがないのもロレックスのすごいところである。
なんというか、とにかく全てを完璧にこなしてやろうという完璧主義的な気概を感じるのだ。
シャンパンゴールドとの取り合わせも見事で、このダイヤルカラーは見れば見るほどじわじわといい色だなぁと感傷的でセンチメンタルな気分にさせてくれそうな気がする。
定価は16,503,300円と、2024年の新作デイトナでは一番高額であり、なんだか8桁の暗証番号のような数字の羅列がであるが、市場では3000万円くらいになるのだろうか。
まとめ
まとめであるが、基本的にロレックスはゴージャスさを追求しているように思う。
当然表面のみがゴージャスという浅い感じではなく、ロレックスという絶対的な内面の揺るぎない信頼性というコンクリート製の分厚く広大な基礎があるから出来る技であり、機が熟したかのようにこれでもかと目にも美しい作品を次々と投入している。
ロレックスが本気を出せばあらゆるブランドを蹴散らすことができるのではないかという思いにも駆られる。
新たなシリーズを発表したとしても、それがどんな見た目であれ中の機械が世界最高峰の性能を誇るものであるならそれはもう勝ちゲーに近い状態になる。
ロレックスというブランド力がさらに高まっている気がするが、何十年にもわたって実力を磨き続けてきた賜物なのではないかと感じた。
ちなみに今回のデイトナは裏がシースルーになっておらず、裏側はクローズドなこれまでの仕様が採用されている。
シースルーになっているのは、アイスブルーの新作とルマン24コラボのみという限定性は確保しているようだ。
ということで2024年新作デイトナ3本をご紹介させていただいた。