- ウブロ 2024年新作メンズモデル一覧
- MPシリーズ
- ビッグバン
- ビッグバン ウニコ アイスバン Ref.441.CK.1140.NR.HEC24
- ビッグバン インテグレーテッド タイムオンリー チタン ブラックダイヤル Ref.457.NX.1270.NX
- ビッグバン インテグレーテッド タイムオンリー チタン ブルーダイヤル Ref.457.NX.7170.NX
- ビッグバン インテグレーテッド タイムオンリー ブラックセラミック Ref.457.CX.1270.CX
- ビッグバン インテグレーテッド タイムオンリー ブルーセラミック Ref.457.EX.7170.EX
- ビッグバン インテグレーテッド タイムオンリー キングゴールド ブラックダイヤル Ref.457.OX.1280.OX
- ビッグバン インテグレーテッド タイムオンリー キングゴールド ブルーダイヤル Ref.457.OX.7180.OX
- ビッグバン ウニコ サファイアピンク Ref.441.JP.4890.RT
- ビッグバン ウニコ オレンジセラミック Ref.441.CU.5910.RX
- ビッグバン ウニコ ダークグリーンセラミック Ref.441.GX.5210.RX
- ビッグバン e UEFA EURO 2024™ Ref.450.NX.1100.RX.EUR24
- スピリットオブビッグバン
- まとめ
ウブロ 2024年新作メンズモデル一覧
ウブロの新作もとうとうウォッチズ&ワンダーズで発表されたわけだが、ウブロもパネライやジャガールクルト同様に実は新作モデルを新年早々発表している。
ウブロは他メーカーに比べても多くのバリエーションを生み出しており、それぞれが限定品となってることも多く、気に入ったらすぐに購入しないと手に入らなくなってるモデルばかりである。
パネライもそういった傾向にあって、世界限定300本とか100本とか、そういった単位の数字なので全てが日本に入って来るわけではないことを考えると割と早い者勝ち的なモデルが多いのである、
カタログにずっと載ってるモデルが少なく、いつの間にか無くなっているということも多いので、ウブロやパネライに関しては人気が集中するモデルなどもあるので注意が必要である。
2024年、ウォッチズ&ワンダーズで発表された新作にもそういったスペシャルなものが数多く存在しており、発売時期などがわからないのもまた難点であるが、今年も素晴らしい作品がたくさん投入されているのでそれを紹介していこうと思う。
基本的にウブロは見た目の華やかさやサプライズ的なものを重要視していて、素材にこだわったり、ムーブメントを見せたりと、目の保養というより目を覚ますような作品作りをブランド哲学としているような節が見受けられる。
今回も紹介しているが素材に限ってはウブロはかなり独自路線をいっており、新しいケースマテリアルの開発やこれまで使われてこなかったものを腕時計に使用したりするなど、アイディア作品が多いのが同ブランドの大きな特徴である。
今回もその哲学が存分に反映しているのでそこを重点にご紹介していこうと思う。
MPシリーズ
ビッグバン MP-11 ウォーターブルーサファイア Ref.911.JL.0129.RX
ムーブメント : 手巻き(Cal.HUB9011)
パワーリザーブ : 約14日間
ケースサイズ : 45mm
ケース厚 : 14.4mm
防水性 : 30m
限定 : ブティック限定
定価 : 2336万4000円(税込)
まずはこの一本。
透き通ったウォーターブルーのサファイアクリスタルケースが目にも心地よい爽快な気分にしてくれる、それだけですでに良い気分にしてくれる腕時計である。
サファイアクリスタルは通常時計の風防に使用する素材であるが、数年前からウブロはそれをケースに使用するようになって世界を驚かせたことでも有名である。
通常、サファイアクリスタルのような時計の文字盤を防護するような一般的な素材で構成されたケースの腕時計が高いわけがないというイメージを持つものだが、サファイアクリスタルは高度が高く、加工が難しい分コストがすごく高くついてしまう素材なのだそうだ。
同じサイズ同じスペックであれば基本的にはサファイアクリスタルケースの方が高い。
これには驚いたが、この点は時と共に逆転する可能性が大いにある。
まずはサファイアクリスタルの加工技術が進歩して汎用性が高まることでコストが大幅に下げられる点だ。
これは実際時間の問題であると考えられる。
人間の技術進歩というのは恐ろしく限界がない。
もう一つの点は金の価値が上昇し続ける点が挙げられる。
世界の金の埋蔵量は50メートルプール三杯分だと言われているが、すでに二杯分が掘り起こされている。
絶対量が決まっている天然素材であるため、自然と価値は高騰する。
金を使用した貴金属が紛失したりするのと、インフレなどが原因でその価値は時代とともに上昇し、サファイアクリスタルの価格を大きく超える可能性がある。
そして最後の理由はあまりないかもしれないが、腕時計のさらなる大型化である。
大型化するとどうなるか、そう、金の使用量が増えるのだ。
サファイアクリスタルの場合サイズが大型化しようと基本的には加工コストはそこまで変わらない。
そういった点などを考えると今のサファイアクリスタルとゴールドの腕時計の差は小さくなっていくと予想される。
だが今はまだサファイアクリスタルケースの腕時計の価値というのはしばらくはこのままであると思われるが、その辺りを差し引いて考えても今回のようなシースルーでクリアなウォーターが感じられるケースというのは見ていて爽快である。
ロレックスやIWCの新作モデルも先に紹介しているが、今年はアイスブルー系の色が流行しているような気配がある。
ロレックスは2023年にデイトナアイスブルーの新型を発表しているし、ここ数年は薄い青系のような色が流行るような予感がする、というかすでに流行している。
さて、今モデルの機能的な内容であるが、お気づきの方もいらっしゃるだろうが、14日というものすごい長いパワーリザーブを積んだ腕時計なのである。
12時位置には通常の計時機能が載せられているが、文字盤下半分にはシースルーのダイヤルから香箱が7つほど目視することができる。
一つの香箱で2日、7つで14日間という信じられないくらい長い稼働時間を可能にした一本で、左下には残りの稼働時間を表示する小窓が設置されている。
機能としてはシンプルだが、アイディアとしては常識を壊した奇抜な機構であると言える。
60時間とか72時間とかが一般的になりつつある機械時計の中で336時間という駆動時間は何より利便性が高い。
普段使わない腕時計だとすると2週間も放置出来るのはとてもありがたい話である。
腕時計を止めるなんてことはよくあることで、複数所有している人なら尚のことそうだ。
価格帯もサファイアクリスタル製ということも相まって、2000万円を超える。
このような価格帯であると、所有者は大抵、腕時計を複数所有しているものである。
となるとすると、14日のパワーリザーブは非常にありがたい機能なのである。
14日というパワーリザーブがあるから高い、高い腕時計であるから複数所有していることにつながる、複数所有しているから14日のパワーリザーブがありがたい、といった感じで複数所有が前提となったようなタイプの腕時計である。
何度見ても透き通った水色が綺麗で、リゾート地の透き通った海を思い出させるようなアルファ波が出て来るタイプの珍しい腕時計であるが、所有欲を掻き立てられる一本であることは言うまでもないだろう。
MP-13 トゥールビヨン バイ-アクシス レトログラード Ref.913.YT.1170.RX
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB6200)
パワーリザーブ : 約96時間
サイズ : 44mm
ケース厚 : 16.7mm
防水性 : 30m
限定 : 世界限定50本
定価 : 2411万2000円(税込)
このモデルも相当にすごい。
まずウブロが得意とする素材に関して記述していこう。
基本となっているのはセラミックケースの下地である。
上部のカーボンファイバーのアッパーレイヤがすぐに目に入る一本であるが、サイドから覗くレイヤーの下地部分のハイテクセラミックが採用されていることは特筆するに値する。
高温で焼きあげたジルコニウムをベースとするハイテクセラミックという素材がウブロでは特定のモデルにのみ使用されているが、今モデルもその一つである。
極めて硬く、極めて耐傷性の高い素材である、ダイヤモンド以外では傷がつかないとされている硬質な素材がこのハイテクセラミックであり、カーボン素材のベゼル部分の下に使用されている黒いケース部分がそれである。
あらゆる素材の可能性を引き出すことにも卓越したウブロであるが、この辺の異素材を組み合わせることに関してはとても面白い発想や着想を武器として隠し持っているのが同ブランドである。
先述したとおり、アッパー素材に使用されているのがカーボンファイバーとテキサリウムという素材の組み合わせであるのだが、テキサリウムといのはグラスファイバーつまりガラス繊維にアルミニウムの薄い膜を化学的にコーティングしたものであり、カーボン素材とグラスファイバー素材を融合させたのがセラミックケースの上部のレイヤーになっている部分である。
このモデルは、ハイテクセラミック、カーボンファイバー、テキサリウムの三つの素材でケースが構成されていることになる。
厳密に言えばセラミック、カーボンファイバー、グラスファイバー、アルミニウムの4つであるが、異素材を融合させる、つまりフュージョンがこのブランド哲学の根幹の大部分を占めていると言えるのではないだろうか。
そして次は、機会的、機構的な凄さを見てみる。
バイアクシスというのは二つの軸という意味であるが、通常トゥールビヨンは軸を一つとして平面的に回転している。
一つの軸で二次元的に回転するということは、軸を二つにすると三次元的に回転することになる。
つまり軸を一つ増やすことで立体的にトゥールビヨンのキャリッジが回転することになるのである。
つまりはこういうことであるが、このブランドは本当に見せ方がうまい。
自らトゥールビヨンの動画にのめり込んでしまったわけだが、
惚れてまうやろーーーー!
な機構がバイアクシストゥールビヨンなのだ。
動画のモデルが以前に既に発表されているMPシリーズの一本で今回は素材のバリエーションが増えた形だ。
ウブロが素材だけでなく技術屋さんであることも再認識させてくれる素晴らしい動画&新作モデルである。
レトログラードのこともお話しすべきではあるが、レトログラード機構とは時針や分針が円ではなく半円または扇形上で計時する方式で、針が右端まで行けば左端に瞬時に戻って時間を計測するという珍しいタイプの動きをするシステムだ。
ちなみにMPシリーズとはマスターピースシリーズのことで、マスターピースは傑作という意味である。
シリーズ名を体現した逸品である。
ビッグバン
ビッグバン ウニコ アイスバン Ref.441.CK.1140.NR.HEC24
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB1280)
パワーリザーブ : 約72時間
ケースサイズ : 42mm
ケース厚 : 14.5mm
防水性 : 100m
限定 : 世界限定100本
定価 : 330万1100円(税込)
さて、日常に戻ったような感覚にさせてくれる落ち着きの備わったモデルであるが、先にインパクトが大きな新作を眺めたためだろう。
このモデルも単体で見ればかなりインパクトのある存在である。
確かに色こそ使われていないとはいえ、それはそれで冷たさを感じさせるという意味で印象的な一本とは言えないだろうか。
アイスバンとはナイスなネーミングである。
2006年に初めて誕生したビッグバンのアイスバンシリーズ。
シリーズの中の小カテゴリのような感覚だろうか、ブラックセラミックケースにシルバーのタングステンベゼルを合わせたモデルをアイスバンと名付けたのがこのシリーズの始まりであるが、無機質でどこか冷たさを感じさせるという理由からそのように名前付けされたのである。
ビッグバンのアイス版といった感じであろう。
ウブロは素材アイディアに関して定評があるメーカーだが、セラミック素材に関しては相当に造詣が深い。
先程のモデルでハイテクセラミックに触れたばかりだが、このモデルは通常のブラックセラミックをベースに表面を加工することで滑らかな質感を与えることを趣旨としている。
加工といっても表面に電解液やイオンを利用した塗膜などをしているわけではなく、ブラスト加工とポリッシュ加工で細かな凹凸とそれを滑らかにするといった無数の目には見えにくい凹凸を作っている。
いい感じにマットで乱反射する感じがこのセラミックケースの特徴であるが、この質感が僕は好きだ。
アイスバンという冷たさの中に優しさがフュージョンしたいわゆるツンデレタイプの腕時計であるが、ここまで変な解釈をする人はあまりいないだろう。
話を戻そう。
全体的に見ると新作だとわからないタイプの、よく見かけるような気がするウブロの作品であるが、パッケージ的に見ると過去のアイスバンよりもより現代的に綺麗に仕上げられているような感じである。
もの自体のデザインや雰囲気というのは似ているが、より仕上がりが丁寧なそんな印象である。
例えるなら、ブラウン管で見ていたアニメがデジタルリマスター版になって蘇ったような感覚だろうか。
画質の範囲ではなく存在のクオリティという観点で例えるならジャイアンが綺麗なジャイアンになったような印象の変化とも言える。
派手な色合いが好きではないが、ウブロが見せる融合と複雑性を纏った腕時計が欲しいならアイスバンは選択肢の一つとなるであろう。
ちなみにこのモデルはウニコと呼ばれるウブロ独自の自社製ムーブメントを搭載しているが、既にお気づきであろう。
ウニコは、ユニーク、オリジナルを意味するスペイン語で、英語のユニークと同じ意味である。
おそらくはラテン語が起源なのであろう。
ウブロの腕時計は全てがウニコ的な存在であるが、ウブロは自社製のクロノグラフにウニコという名前を与えている。
名前が示す通り、ユニークでクールなデザインであり、モダンに解釈された一本が発表された。
実は特筆すべき点がもう一つある。
下側のケースラグ中央部のワンクリックボタンはウブロの特許機能であるが、これを押すことでストラップを簡単に付け替えることが出来る。
ベルクロメッシュストラップ x ブラックセラミック尾錠
ブラックラバーストラップ x ブラックチタニウムのDバックル
これら2種類のストラップは購入時に両方とも同梱されており、おそらくはベルクロメッシュが標準で装着されているのではないかと思われる。
色使いはほぼ二色とシンプルであるが、細かな繊細な立体感と質感が異なる素材が数多く融合した実に知的な一本に仕上がってると言えるのではないだろうか。
ビッグバン インテグレーテッド タイムオンリー チタン ブラックダイヤル Ref.457.NX.1270.NX
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB1115)
パワーリザーブ : 約48時間
ケースサイズ : 38mm
ケース厚 : 9.4mm
防水性 : 100m
定価 : 180万4000円(税込)
ビッグバン インテグレーテッド タイムオンリー チタン ブルーダイヤル Ref.457.NX.7170.NX
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB1115)
パワーリザーブ : 約48時間
ケースサイズ : 38mm
ケース厚 : 9.4mm
防水性 : 100m
定価 : 180万4000円(税込)
ビッグバン インテグレーテッド タイムオンリー ブラックセラミック Ref.457.CX.1270.CX
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB1115)
パワーリザーブ : 約48時間
ケースサイズ : 38mm
ケース厚 : 9.4mm
防水性 : 100m
定価 : 210万1000円(税込)
ビッグバン インテグレーテッド タイムオンリー ブルーセラミック Ref.457.EX.7170.EX
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB1115)
パワーリザーブ : 約48時間
ケースサイズ : 38mm
ケース厚 : 9.4mm
防水性 : 100m
定価 : 210万1000円(税込)
ビッグバン インテグレーテッド タイムオンリー キングゴールド ブラックダイヤル Ref.457.OX.1280.OX
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB1115)
パワーリザーブ : 約48時間
ケースサイズ : 38mm
ケース厚 : 9.4mm
防水性 : 100m
定価 : 646万8000円(税込)
ビッグバン インテグレーテッド タイムオンリー キングゴールド ブルーダイヤル Ref.457.OX.7180.OX
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB1115)
パワーリザーブ : 約48時間
ケースサイズ : 38mm
ケース厚 : 9.4mm
防水性 : 100m
定価 : 646万8000円(税込)
そしてビッグバンのインテグレーテッドに新たに6種類のモデルが追加された。
インテグレーテッドとはIntagratedと表記され、いわゆる統合を意味する言葉であるが、これまでなかったブレスレットタイプのビッグバンのことである。
それまではウブロと言えばレバーストラップかレザーストラップが一般的であったが、ブレスレットとケースを同素材で統合することによって新たな風を巻き起こそうというのがその狙いである。
新たな風というのはウブロの中では、ということであり、その風とはラグジュアリースポーツのこと意味するのである。
世界的にラグジュアリースポーツ人気が凄まじく、これまでドレス系ウォッチしか作ってこなかったメーカーがケースとブレスレットに一体感がタイプのラグスポシリーズを新たに展開し始めるなど、フェラーリやベントレー、ロールスロイスなどがSUVを作る事態になったのととてもよく似たケースである。
これまでのウブロの特徴であったケースサイドにはみ出したタブのような存在は残し、ウブロの遺伝子を継承する形でジェラルドジェンタ流のラグスポモデルを完成させたのである。
そのインテグレーションに新たに追加されたのが38ミリとうケースサイズのバリエーションである。
男女両方がペアウォッチとしても楽しめるようなサイズ感を意識して投入してきた感があり、38ミリというサイズは中間サイズとしてはちょうど良い大きさの範囲であると言える。
基本的に大きな腕時計が多いのがウブロであるが、両性別で楽しめる腕時計というのはデザイン性も中性的であることからシンプル性が求められる。
素材や色を変えるだけで大きく表情や印象を変えるものだが、今回ウブロはチタンケース、18Kキングゴールドケースにブラックダイヤル、ブルーダイヤルの2種類を組み合わせた計4種類と、ダイヤルバリエーションがないブラックセラミックとブルーセラミックという全身がその色でまとまった2種類を合わせた、合計6種類の38ミリインテグレーテッドを発表した。
ウブロらしいデザイン3針にデイト、簡素にデザインされたビッグバンは昔のウブロを思わせてくれる、どこか懐かしさを感じさせてくれる無駄のないシリーズであり、ビッグバンの中でお祭り騒ぎを起こす要素を徹底的に取っ払って現代風にラグジュアリーに仕上げたのがこのモデルだ。
元々、高級感が備わったスポーティよりの腕時計であるから、派手さを取り除いてラグジュアリーな部分を付け足すだけでとても良い腕時計になる。
個人的にはチタン製のブルーダイヤルのモデルがおすすめであるが、全体がブルーセラミックで構成された1本も捨てがたい。
焼き上げたセラミック独特のマットな質感と光沢あるテクスチャとの取り合わせがすごく魅力的で、ずっと眺めていたくなるような素材に仕上がっていてそれら全体がブレスレットのようになっている感覚がそこはかとなく愛おしく感じられる。
対峙する特徴を備える二面性を持つこのような素材で作られたブレスレットタイプのビッグバンはまさに素材を武器とした素晴らしい作品である。
ビッグバン ウニコ サファイアピンク Ref.441.JP.4890.RT
ムーブメント : 自動巻き(Cal.1280)
パワーリザーブ : 約72時間
ケースサイズ : 42mm
ケース厚 : 14.5mm
防水性 : 50m
限定 : 世界限定100本
定価 : 1657万7000円(税込)
薄い透き通ったピンクが非常に魅力的な一本であるが、世界で一番桜を愛でる日本人が好きそうなモデルだ。
実際日本ほどピンクに抵抗を持っていない男性が多い国はないであろうと思われるくらい、淡いピンクは日本人のスピリットに根付いていると言える。
ピンク色の小物を愛用する男性は大半ではないが想像するより多く、ちょっとした可愛いものが好きな男性が他国に比べて多いのはキャラクター文化やアニメ文化が根付いている日本ではごく自然に怒ることなのである。
ウォーターブルーのサファイアクリスタルも綺麗だったが、桜ピンクのサファイアクリスタルもまた違った情緒を呼び起こしてくれる。
どちらも季節を思わせる色合いをしているが、色だけでなくサファイアクリスタルという半透明な見た目が日本の四季を思わせるのに一役も二役も買っているような気がする。
淡いシースルーのピンクとダークなシルバーのコンビネーションという他のメーカーでは絶対に見られないツートンウォッチであるが、素材や見せ方にこだわるということは同時に唯一無二のファッション性を帯びることにも直結してくる。
今回紹介している新作はその最たるモデルであり、他メーカーで替えが効くタイプの腕時計ではない。
そういった意味でウブロは素材を最大限に活用していると言えるのではないだろうか。
ビッグバン ウニコ オレンジセラミック Ref.441.CU.5910.RX
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB1280)
パワーリザーブ : 約72時間
ケースサイズ : 42mm
ケース厚 : 14.5mm
防水性 : 100m
限定 : 世界限定250本
定価 : 405万9000円(税込)
インパクトがありすぎるオレンジセラミックの一本であるが、これは迫力があってオレンジ好きにはたまらないモデルである。
オレンジ好きな人は他の色が好きな人同様わりと多く存在してて、明るくさせてくれるような雰囲気を持っているのがその特徴である。
同じオレンジでも夕日はノスタルジックに、果物のオレンジはよりポップにしてくれるという割と幅広い意味を与えることができるのがオレンジ色であるが、ウブロが2024年に初めて生み出すことに成功したオレンジセラミックは僕らにどんな感情を与えてくれるのだろうか。
一番に感じるのはそのポップな雰囲気であるが、オレンジ色といえば車好きならランボルギーニのガヤルドを思い浮かべるかもしれない。
イタリアが産んだスーパーカーメーカーであるが、派手好きな国民性はウブロの遺伝子にもしっかりと受け継がれている。
2019年に世界で初めて成功した赤のセラミック素材を使ったビッグバンが話題になったが、2021年にはイエローセラミックが新たに開発され投入された。
2024年はオレンジ色が発表されたわけであるが、赤と黄色を足せばオレンジ色になるというのはただの偶然なのだろうか?
当然ウブロはあらゆる色のセラミックを開発しようとしているだろうし、あらゆる色を生み出すことに成功し色に関するデータベースなどが出来上がるとするとレインボーセラミックなるものを確実に発表してくるものと思われる。
現段階ではまだあらゆる色のセラミックを開発している段階で、のでのプロセスで登場したオレンジというのも一言で赤と黄色を混ぜたと言えるような生半可なものではない。
セラミック素材を作るといっても、色によっては成分の種類やその配合率、焼き上げ温度や時間、完成後の磨きをサテンにするかポリッシュにするかでもまた大きな違いが生まれる。
組み合わせは無限大であり、試行錯誤して一番美しいと思える結果を製品として投入するわけであるから相当の時間と労力、そしてコストが必要となってくるのである。
ビッグバン ウニコ ダークグリーンセラミック Ref.441.GX.5210.RX
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB1280)
パワーリザーブ : 約72時間
ケースサイズ : 42mm
ケース厚 : 14.5mm
防水性 : 100m
限定 : 世界限定250本
定価 : 331万1000円(税込)
そしてダークグリーンでもセラミック素材が開発され、それをビッグバンに投入したのがこのモデル。
ミリタリー系が好きな人におすすめできる一本であるが、基本的にはオレンジ素材のモデルと内容はおなじである。
色が違う分、成分や焼き上げに関する工程が大きく変わるであろうが、内蔵されるムーブメントや基本スペックはほぼ同じだ。
設定された価格が大きく違うが、これは色の人気を反映させた差分なのか、素材にかかったコストの違いなのかはわからないが、オレンジ色の方が日本円で70万円ほど高額な定価になっている。
ビッグバン e UEFA EURO 2024™ Ref.450.NX.1100.RX.EUR24
ムーブメント : Wear OS
サイズ : 44mm
ケース厚 : 14mm
防水性 : 30m
限定 : 世界限定100本
定価 : 89万1000円(税込)
ウブロのアンバサダーになっているエムバペがモデルとなって着用するウブロのデジタルウォッチの2024年バージョンが新たに登場。
2024年はドイツでのワールドカップ開催の年であるが、それを記念して作られたのが今コネクテッドウォッチだ。
コネクテッドウォッチの良いところは中はコンピューターそのものであるためあらゆる用途にプログラムすれば専用腕時計にカスタマイズすることができる点であるが、こういった次世代の腕時計はコンピュータがムーブメントそのものである。
今モデルではサッカーに関する特殊な操作や管理ができると思われるが、如何せん僕はサッカーにそこまで詳しくないので、詳細は以下の動画確認していただけたらと思う。
試合内容や選手のデータなどが色々と操作できるのであろうが、ワールドカップ限定ということなのでエムバペのファンも世界中には多いだろうしサッカーの熱烈なファンにとってはたまらないモデルであると言える。
世界限定100本という制限と、今年いっぱいでしか手に入らないだろうという限定性が、ウブロのアンバサダーになっているあらゆるサッカー界のスーパースターの存在も助長して人気と需要が高いモデルであると想像できる。
価格帯も80万円台とウブロにしては安めだが、デジタルウォッチであると考えるとインフレ率がすごいと感じる。
受け取り方はそれぞれだが、ウブロのデジタルウォッチは過去にすでに発表済みである。
機械時計一辺倒なブランドがじわじわとデジタルウォッチの開発にもリソースを注いでいるように感じるが、ウブロにはそういった抵抗が全くないように思える。
今までガソリン車のみを製造していた車メーカーが電気自動車を作り始めるのとよく似ている。
スピリットオブビッグバン
スピリットオブビッグバン サンブルー ハイジュエリー ホワイトゴールド Ref. 648.WX.9010.RX.9904.MXM24
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB4700)
パワーリザーブ : 約50時間
ケースサイズ 42mm
ケース厚 : 15.7mm
防水性 : 30m
定価 : 5425万2000円(税込)
スピリットオブビッグバン サンブルー ハイジュエリー キングゴールド Ref. 648.OX.9010.RX.9904.MXM24
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB4700)
パワーリザーブ : 約50時間
ケースサイズ 42mm
ケース厚 : 15.7mm
防水性 : 30m
定価 : 5425万2000円(税込)
ロンドンで『Sang Blue(サンブルー)』というタトゥースタジオを経営するタトゥーアーティストでグラフィックデザイナーであるマルチな才能を発揮するいわゆるクリエイティブディレクターと呼ばれるタイプの天性の芸術家なのがスイス出身のマキシム・ビューチである。
カニエ・ウェストやアダム・ランバートの彫り師としても有名で、世界中にセレブな顧客を持つ話題性の高い現代モダンアーティストが彼である。
ウブロは唯一無二を価値を想像するため、こういった世界的アーティストとコラボすることが多いが、スピリットオブビッグバン サンブルーシリーズはそういった背景で誕生することとなった。
サンブルーコラボのウブロはこれまでにもビッグバンやスピリットオブビッグバンでも既に発表されていたが、2024年に発表されたのは後者のモデルにダイヤモンドを埋め込んだハイジュエリーとしての要素を組み込んだ新作モデルとなる。
六角形や八角形のラグジュアリースポーツが流行しているが、サンブルーのスピリットオブビッグバンはラグスポの代名詞的な解釈ではなく、また大きく違った角度からを多角形を捉えたデカゴン(十角形)になっており、見るものにこの上ない強い印象を与えている。
スピリットオブビッグバンから発表されてはいるが、もはや同シリーズの概念を超えた雰囲気を醸し出しており、芸術家の脳内を腕時計として表現するとこうなるのかと感心させらる一本に仕上がっている。
キングゴールドとホワイトゴールド使用してマキシム・ビューチの世界観がとてもよく表されている。
スピリットオブビッグバン トゥールビヨン Ref.645.QO.4710.RX
ムーブメント : 手巻き(Cal.HUB6020)
パワーリザーブ : 約115時間
ケースサイズ : 42mm
ケース厚 : 13.25mm
防水性 : 30m
限定 : 世界限定50本
定価 : 1432万2000円(税込)
ウブロはセラミックに造詣が深いブランドだと言及したが、カーボンファイバーに関しても深い知識を有したメーカーである。
重量やねじれに強く、剛性の高い素材としてレーシングの世界では引っ張り凧なカーボン素材であるが、重力や外からの力に強いことはスポーツをする上でに非常に大きなメリットとなる。
強度だけでなく軽さというアドバンテージも備える同素材は腕時計にはもってこいなのである。
三面に編んだカーボンをエポキシ樹脂でコーティングして固めるといった製法で生まれたウブロ独のハイテク素材はケースのみではなく、ムーブメントにも使用したモデルが存在する。
それが今回の新作の一本である。
ケースのみではなく、ムーブメントの地板を取っ払って、輪列などをカーボン素材のブリッジで固定することなど、内部の軽量化によっても腕時計全体を軽くすることに成功している。
シースルーなのはそのためだ。
競技用の腕時計として設計されてはいるが、トゥールビヨンを載せたり、マーブルなカーボン素材を使用したりと、ファッション性が高い新作であり、実用性のためとはいえ全く力を抜いていない様子が窺える。
スクエアバン ウニコ マジックゴールド Ref.821.MX.0130.RX
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB1280)
パワーリザーブ : 約72時間
ケースサイズ : 42mm
ケース厚 : 14.7mm
防水性 : 50m
定価 : 586万3000円(税込)
スクエアバン ウニコ マジックゴールド Ref.821.CM.0130.RX
ムーブメント : 自動巻き(Cal.HUB1280)
パワーリザーブ : 約72時間
ケースサイズ : 42mm
ケース厚 : 14.7mm
防水性 : 50m
定価 : 435万6000円(税込)
四角い時計はあまり存在せず、ベル&ロスのような四角い腕時計を専門とするブランドがあったり、タグホイヤーのモナコやカルティエなどが割と四角いモデルに力を入れているような部分があるが、ウブロが近年新たに誕生させたシリーズがスクエアバンであり、スクエアウォッチのフィールドに新たなる風を巻き起こしているといっても過言ではない。
なにせウブロというブランド自体が革新的であり、あらゆる素材や異素材の組み合わせ、時折見せる異次元の発想力を盛り込んだ複雑なムーブメント、それらの技術をスクエアバンにも投入しようと考えているからだ。
四角い腕時計はこれまではベル&ロスのコンセプトでいうと飛行機の計器がテーマとなっているし、タグホイヤーのモナコであればホイヤー時代から踏襲されるレーシングのスピリットが宿っているし、カルティエに関しては古典的なデザインが売りだったりするが、
ウブロが他社と違うところは、これまでにウブロが培ってきた素材の革命、異素材をブレンドするという融合、そして発想豊かな複雑機構という技術力を、そっくりそのままスクエアバンに投入することができるという点である。
この時点でウブロは次世代の腕時計を他社に先駆けてどんどんと推し進めることができるのである。
すでに今回発表している新作も、マジックゴールドとセラミックという異素材を合わせたケースをスクエアに仕上げているという点ですでに唯一無二である。
そもそもマジックゴールドという素材も、セラミックとゴールドを混ぜたウブロ独自の金素材であるし、素材の革新性やオリジナリティという面ではウブロに勝てるところは他にないのではないかと思われる。
今回新作モデルは、ベゼルのみがゴールド、ベゼルもケースもゴールドの2種類が用意されていて、ケース素材もマジックゴールドであれば150万円ほど高額になる。
ウブロ独自の地味な金色も見ればクセになりそうである。
まとめ
というわけで、ウブロの2024年の新作モデルを一挙に紹介したが、いかがだっただろうか?
ウブロの凄いところは発想豊かなクリエイティビティと、その結果生まれたセラミックやカーボンファイバー、そしてグラスファイバーなどあらゆる素材を加工する技術力である。
ムーブメントのテクノロジーに関しても定評があり、既存の概念を大きく外した芸術的な機械時計を多数生み出しているが、昔日本にあった茶運び人形などのカラクリを想起させる。
あらゆるものを機械化させるという意味ではオリジナリティが自然と生まれる土壌があった。
それは現代ほどの体系化されたベースとなる教えのようなものがなかったからで、固定観念のないまっさらな出発という点で共通項が見受けられるのであるが、現代の世の中で既存の枠を壊して新しいものを生み出そうとするのは逆に難しいものである。
素材の部分でも新しいものが生まれるスパンというのはどんどん長くなっている気がするのである。
製薬会社も新薬が承認されるまでの期間が長くなっているという事実はムーアの法則の反対であり、Mooreの反対ということでエルームの法則と呼ばれたりもしている。
しかしウブロはエルームの法則すらも打ち破る想像力を有しており、その破壊的な創造性と突破力を武器に時代の壁をぶち壊しこじ開ける今最も話題性のあるブランドなのである。
ウブロを形作る独自の強い信念が新作モデルからもひしひしと感じられるのである。