なぜロレックスやパテックフィリップ、オーデマピゲは旧型の人気が落ちないのか?

オーデマピゲ

ロレックス市場が荒れている。

ロレックスの市場は常に荒れているのだが、2023年の新作として登場したデイトナのおかげで、旧型市場に変化がみられる。

通常、機械というものは新型が登場すると旧型の時代遅れはお払い箱になる。

なぜならムーアの法則などにより、新しい機械は数年で数倍の性能を携えてやってくるからだ。

古く処理能力が比較して劣っているものは隅に追いやられるのである。

しかしそうではないものも存在する。

ポルシェの911やフェラーリのような芸術性の高い存在は古い方が価値が出やすくなったりする。

現行モデルから外れ、旧型になった名車などは時間をかけて名車になっていく。

車の進化というものはやはり新しい技術を投入された新型の方が性能という面では優っており、そちらを優先する人も十分にいるからだ。

時が経過し、新型だったモデルが旧型になり、そのサイクルが繰り返されていくうちに古いからというデメリットが織り込み済みとなった結果、元々備わっていた芸術的要素が再評価される。

球数が減り、状態の良いものがなくなっていくこともその希少性に寄与する。

車の世界では名車となるには時間が若干必要となるのである。

一方で腕時計となると、デザイン面や内部の技術面でいわゆる型遅れとなることがほとんどない。

ロレックスは特にそうだ。

モデルチェンジでデザインが変わることがほとんどなく、変えられたとしても本当に些細な部分のみであり、旧型と新型の見分けがほとんど付かないことすら珍しくない。

中身のムーブメントに関してもそうだ。

精度や耐久性などがすでに完成仕切っていて、変更する余地があまりにも少ない。

製品として完全に近いのがロレックスで、ロレックスはそこを最も評価されているブランドなのである。

(これともっとも近い車メーカーがポルシェである。普遍的なベースデザイン、世界トップクラスの性能というのがロレックスやパテックフィリップ、オーデマピゲともっとも大きな共通項となる)

実際、新型に同じムーブメントを搭載することもよくある。

デイトナ旧旧型 Ref.116520 と旧型 Ref.116500LNには同じCal.4130が搭載されていたのである。

その期間およそ23年。

23年間も同じ性能を誇る機械が他に存在するだろうか?

進化が止まっていた宇宙産業を含めないなら、腕時計業界くらいであろう。

時計業界でも一流のメーカー数社のみである。

宇宙産業と違う点は、腕時計業界はずっと進化していたことである。

そういう点でロレックスは相当にすごいブランドなのだ。

つまりは、

デザインもほぼ一緒、性能もほぼ同じ、であるとすると、名車の件を例に取ると芸術性と球数という希少性のみが価格に影響を与えるようになる。

スーパーカーが名車となるための時間を吹っ飛ばしたのは、ロレックスのムーブメントなどに対する技術力なのである。

完成された技術力は新型の登場で必ずしも新しい製品に注意を惹かせない。

デザイン面での変化もあまり感じられないならカッコいいし高性能だし、旧モデルで良いよ、といった多数の思惑やプレミア感が旧型の価格高騰の理由の一つなのである。

スーパーカーが名車になるには、この再評価というプロセスが必要だったわけであるが、腕時計に関しては再評価というプロセスまでの期間がめちゃくちゃ短い、むしろ存在しないのである。

廃盤になることがイコールで評価され、一度も価値の減少を経験することなくそれまでの価値の延長線上に身を委ね、価格高騰の波に乗っていくのである。

これこそがロレックス、パテックフィリップ、オーデマピゲが持つプレミアで、『人気』のもっとも甘いスイートスポットを享受しているのである。

そこに買いが入り、そしてまた人気をよぶ。

その人気がその他のブランドの人気も上昇させる。

一部のブランドは業界全体の価値そのものを底上げしているのである。

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