ジャガールクルト 2024年 新作モデル
最近は腕時計の技術がとてつもなく進化しているように思う。
僕はこの進化にはSNSが大きく寄与している気がしているのであるが如何だろうか。
SNSには悪い面もあり性格によっては向き不向きもあるが、基本的に情報の行き交いが購買行動やサービスと結びつきあらゆる経済活動が活発化するのである。
何か大きな目標がある人にとってはSNSはとても有用であり、僕自身素敵な投稿をみるとワクワクすることも多い。
機械式時計やスポーツカーのアカウントを追っていることは言うまでもないだろう、血が騒ぐのである。
最近は魅せるための時計というものが流行っているといった印象でもあるが、腕時計を所有するとい意義が変わっているのは時代の流れであることは間違いない。
何かが流行するということは決して悪いことではなく、資本主義経済を稼働させるにはむしろ良いことである。
流行とエネルキーは必ずセットであり、何かが流行すると大きなテクノロジーの波が生まれやすくなる。
あらゆる大中小問わない問題を解決すべく、優れた世界中の頭脳がフル回転し始めるのである。
機械式腕時計を製造するメーカーには天から授かった才能を持った優秀な人間やあらゆる荒波に揉まれて生き残った生粋のアイディアマンたちが知恵を出し合って特許を取得するような途轍もない技術を腕時計の、とりわけムーブメントなどに注入するわけであるから機械式時計は人間の叡智を集めた宇宙であると言えるわけであるが、
腕時計に限らず、SNSの出現であらゆるニーズが激化した結果、激しい競争の結果廃れるものもあるが、結果として生き残る組織や集団はえてしてより強固になった存在なのである。
機械式腕時計が近年どんどん薄くなり、既存の常識を打ち破ったかのような新たな技術をたくさん投入しているのは承知の事実であると思うが、スマートフォンの登場で個人組織問わず情報通信が俊敏にそして指数関数的に増えていった行く末は急速な成長という結果を導くのであるが、現在の腕時計は新陳代謝をしている最中であり僕たちは現在のその真っ只中にいるということになるのだ。
2023年にロレックスの新作登場を見てあのロレックスが、といった思いがあったわけであるが、あらゆるモデルをこれでもかと市場に投入し勝ちに来ているのかなといった印象を受けた。
17世紀後半に訪れた産業革命という労働力の機械化と相性の良い効率を最重要視する資本主義が機械時計を発展させていった大きな原動力であるのだが、現在の機械時計の意義は当時のそれとは大きく異なる。
時間を計るための腕時計ではなく、いかに価値が詰まった腕時計であるかということが所有することへの意義になっているわけであるが、腕時計も車ももはやジュエリーのような役割を担っているのである。
それが時代の流れというやつであり、そうでなければ所有する喜びという意義は半減するのである。
さて、ジャガールクルトは僕が個人的にも一推しするブランドであるわけだが、その高い技術力と物静かな主張しすぎない大人びたブランドの性格というのか、そのフィロソフィーにとても感化されているのである。
僕がジャガールクルトが好きになった理由にはレベルソという存在がある。
レクタングルと呼ばれる長方形の腕時計であるのだが、とにかく大人っぽい腕時計で、高級感が半端ない上にあらゆる上品な人たちがこぞってチョイスする腕時計の一つに挙げられていたこともまたさらに誘惑される理由なのであるが、
先ほども述べたように、あの人のようになりたいという思いは人間の原動力であり、上品な人が持っているものはとてもよく見えるものである。
ジャガールクルトの良さは過当な競争からは一歩外れたようなところがあり、しんしんと静かに雪が降るかの如くジャガールクルトは我が道を突き進むのみなのである。
派手さを好まないところも同ブランドの魅力であり、大型化する腕時計の流れにある意味反対しているようなところも見受けられる古典派で保守派メーカーといった感じだ。
マスターウルトラスリム パワーリザーブ Ref.Q137258J
ケース径 : 39.00mm
ケース厚 : 8.95mm
ケース素材 : 18Kピンクゴールド
防水性 : 50m
価格 : 3,080,000円(税込)
特筆することは特にないが、2024年の新作モデルの一本である。
ディープなブルーとゴールドを合わせた若干の派手さはあるがそれでも全体的にジャガールクルトらしく控えめに抑えた感じではある。
技術的には目新しいところはないが、敢えて説明を加えるならばこのモデルの最大の魅力はダイヤルではないだろうか。
もちろんピンクゴールドとの配色の組み合わせも違和感がないという点で合格点であるのだが、グランフーエナメルという、いわゆる昔からある焼き上げた文字盤を使用している点であろうか。
簡単に説明すると薄いガラス塗膜のようなものである。
800度から1000度の間の熱でパウダー状のエナメルを振った面を焼き上げて溶けたガラス状の表面が綺麗な光沢を見せるのであるが、伝統的な技術であり、近年スイスの時計ブランドはグランフーエナメルダイヤルを採用しているところが見受けられるようになった。
この点もSNSがもたらした良い面である。
伝統技術の復活の鍵を握るのは技術向上するための大きな原動力が必要なのであるが、日本の素晴らしい伝統もSNSなどによって広く認知され守られていくべきである。
話が逸れてしまったが、ジャガールクルトを贔屓目で見ている僕はもうそれだけでお腹いっぱいなのである。
このモデルのもう一つすごいところが普通に9mmを下回っている薄さである。
無理してこのようなサイズに収めた感じもしないし、デフォルトのサイズがこれなんだというナチュラルな感じしかしないのである。
腕時計を薄くするためには面積を大きくとったりというつまり体積を確保するといった逃げ道もあるわけだが、このモデルは先ほども述べたように大型化を推奨しないジャガールクルトであるから39mmというギリギリ40mmいかないサイズに収めている点で素晴らしいのである。
大きすぎず小さすぎず、でもちょっと薄い。
スーツを着る際にワイシャツなどのとっかかりがなくなるのが薄型時計の最も大きなメリットであるが、そういった用途にもってこいであると言える。
マスターウルトラスリム トゥールビヨン エナメル Ref.Q13224E1
ケース径 : 40.00mm
ケース厚 : 12.13mm
ケース素材 : 18Kピンクゴールド
防水性 : 50m
さて、2024年ジャガールクルトの新作2本目はこの一本。
うむ、先ほどと基本的には同じである。
といってもトゥールビヨンが搭載されている点で全く同じタイプの腕時計とは呼べないのであるが、スタイルとしては同じである。
ピンクゴールドのケースとサンレイ仕上げを施してあるが同じくブルー系のグランフーエナメルをダイヤルとしたモデルである。
トゥールビヨンが搭載されているので先ほどもより3mm強ほど肉厚であるが、個人的にはこっちの方が断然好みである。
サンレイ仕上げというのは、文字通り太陽光線の意味であり、太陽から注ぐ光線のように見えることからそのような呼び方がされている。
レンブラント光線のような、そんな感じである。
このモデルには定価が明記されていない。
トゥールビヨンが入るとこうなってしまうのだが、トゥールビヨンを搭載した腕時計が増えてはいるがこの技術の搭載にはやはりそれなりに、というかいまだに莫大な付加価値がついてしまうのである。
クロノグラフとかデイトとかのように一般化してしまうのも面白くないが、トゥールビヨンを搭載すると桁が変わってしまうのでそれはそれでハードルをあげているのではないかと思われる。
しかしトゥールビヨンといえばジャガールクルト、と言われるほどジャガールクルトとトゥールビヨンの関係性は深い。
ジャガールクルトといえばジャイロトゥールビヨンでも有名であるが、軸を二つ持つことで三次元的な動きをするのであるが、見ていただいたハッとされるのではないだろうか。
動きがすでに生き物みたいなのである。
3Dトゥールビヨンとも呼ばれ、この手のトゥールビヨンを搭載した腕時計の価格はどうなるかというと、また一つ桁が変わるのである。
そこまでいかないにしても2、3本購入すれば桁は確実に変わる、とでも言っておこう。
まとめ
というわけでまとめであるが、
とにかくジャガールクルトの技術力というのは底が知れないのである。
世界6大時計メーカーを挙げるとしたら、6つ目はロレックスかジャガールクルトを推薦するであろう。
以上が今回お話しするジャガールクルトの2024年の新作モデルであるが、また次回別の新作モデルをお伝えしようと思う。
ジャガールクルトの素晴らしさがわかってもらえると僕も嬉しい。