18Kデイトナの人気ダイヤルモデルの価格推移と比較
ロレックスのデイトナという存在にどれだけ励まされているだろう。
みなさんは、見るだけで聞くだけで、存在があると確認するだけでワクワクするようなものがないだろうか?
誰だって一つや二つそういった存在があると思うが、僕はデイトナがそのうちの一つだったりする。
こちらで紹介しているわけだが、これらのデイトナを見ると一際心踊るのである。
ゴールドを使用したデイトナの高級感にやられてしまうのだ。
ゴールドのデイトナの変遷については簡単ではあるが後述するので、ざっと拾ってもらえたらと思う。
とりあえずはゴールドデイトナの中でも一番人気の文字盤モデルの価格推移を見てそれぞれの価格を比較してみようと思う。
デイトナ エバーローズゴールド チョコダイヤル Ref.116505
最安と平均が近く、大体850万円強で推移している。
デイトナ イエローゴールド グリーンダイヤル Ref.116508
最安と平均が1400万円、うん、高い。
デイトナ ホワイトゴールド ブルーダイヤル Ref.116509
こちらは最安と平均がほぼ一緒で、価格も850万円ほどであり、顕著な上昇傾向が見られる。
個人的感想
とりあえず外観を見てもらえたらお分かりになると思う。
これらのモデルがどうしてそれぞれのゴールドで一番人気なのかということが。
個人的にはエバーローズゴールドのチョコダイヤルはイマイチ好きではないが。
エバーローズにはエバーローズが一番合うと思っている。
とはいえ一番人気なモデルであるらしいので価格推移を2年ほどさかのぼって見ると、随分と価格が上昇したもんだと眺めてしまった。
グリーンダイヤルのイエローゴールドなんてもはや他のモデルが二つ買えるほど高騰していて、かつてのイエローゴールドの落ち着いた人気が嘘のようである。
現代のSNS人気が腕時計の価格高騰の一つの理由になっているとお話ししたことがあるが、イエローゴールドに人気が集まっているのもそういった理由が考えられる。
価格高騰の一番の要因は投資であると思われるが、SNSが投資を誘引しているとも言えるのである。
大部分がそうだとは言わないが、派手なものや高級なものを好む時代であるため、こういった高価な品は大変喜ばれるのであろう。
個人的にもイエローゴールド x グリーンダイヤルは大好きなので買われている理由がすごくよくわかるのである。
これらの3モデルの価格推移を比較しても共通する部分が一つあった。
それは、どのモデルも上昇傾向にあるということだ。
一度は大きく下がった相場ではあるが、バブルが是正され、正しい価格に戻った。
そこからロレックスの価値を再評価する動きがと経済的な流れがミックスして緩やかな上昇相場に再び転じているように思う。
ロレックスの腕時計は改良する点がほとんどなく、変更する部分があまりにも少ないブランドとしても有名だ。
新作発表では大きくモデルチェンジする場合を除いて間違い探しのような小さな違いしか見受けられないし、大きく外観を変えたモデルチェンジでもムーブメントはずっと同じだったりする。
横着をしているのではない。
変えるに変えられないのである。
中の機械類もそうだが、実用性や機能面などでも変更点を見出せない。
デザインに関しても根強いファンがいるため変更することが躊躇われる。
ポルシェと非常によく似ている。
そういった理由でデイトナを筆頭に、ロレックスの価格はどんどんと上昇を続けるだろう。
グリーンダイヤルのイエローゴールドがどこまで価格を伸ばすのか興味深い。
ゴールドの変遷
そもそも僕がデイトナが好きになるきっかけになったのはイエローゴールドの存在だった。
最近はロレックスのデイトナの話ばかりであるが、実はデイトナという存在はそこまで気になっていなかった。
むしろ、まあありなんじゃない?程度で見ていた一クロノグラフ、という感じでもっぱら僕はドレス系ウォッチの方が好きだったのである。
最初に好きだったのはIWCのダヴィンチ、ポルトギーゼであり、おしゃれな雰囲気の腕時計に興味をひかれていた。
少年時代やもうちょっとしてからはオメガのスピードマスターのシンプルなこれぞクロノグラフのベースデザインと言わんばかりのオーソドックス性に心躍らされていたのである。
デイトナが好きになったのはもう少し経ってからのことで、ロレックスというブランドが考える腕時計への姿勢やその哲学を知ってからはロレックスというメーカーが大好きになってしまった。
その時ちょうど派手目な腕時計というものが好きで、ロレックスのイエローゴールドには特に惹かれていたように思う。
イエローゴールドはロレックスの中でも最古参の色であり素材であるが、ここで少し、デイトナのゴールドモデルの簡単な変遷を時系列で見てみたいと思う。
なお、ここでは4桁リファレンスのものは除き、現代のデイトナの流れを汲む5桁モデルからの歴史に言及している。
イエローゴールド セラクロムベゼルなし
1988〜
Ref.16528
〜2000〜
Ref.116528
〜2016〜
Ref.116508
〜2023〜
Ref.126508
〜今
イエローゴールド セラクロムベゼルあり
2017〜
Ref.116518LN
〜2023〜
Ref.126518LN
〜今
ホワイトゴールド セラクロムベゼルなし
2004〜
Ref.116509
〜2023〜
Ref.126509
〜今
ホワイトゴールド セラクロムベゼルあり
2017〜
Ref.116519LN
〜2023〜
Ref.126519LN
〜今
エバーローズゴールド セラクロムベゼルなし
2008〜
Ref.116505
〜2023〜
Ref.126505
〜今
エバーローズゴールド セラクロムベゼルあり
2017〜
Ref.116515LN
〜2023〜
Ref.126515LN
〜今
という感じである。
ホワイトゴールドやエバーローズゴールドが2000年代に登場したのに対し、イエローゴールドは5桁のSSデイトナが登場した1988年から既に存在していたのである。
SSと同様に歴史は古い。
数としてイエローゴールドの方が他のゴールドモデルより多いかもしれない。
その流れからなのか、デイトナは未だにイエローゴールドのみでしかコンビモデルを作っていない。
個人的な意見ではあるが、ロレックスはエバーローズゴールドとのコンビモデルを考えているのではないかと思っている。
GMTマスターⅡには126711CHNRというエバーローズゴールドのロレゾールがあるし、パテックフィリップにもRef.5980というレッドゴールドとステンレスのコンビモデルが存在する。
全くもって悪くないカラーリングなのであるが、なぜかロレックスはこのモデルをデイトナに採用することに慎重になっている。
2018年にエバーローズゴールドとのロレゾールを発表して早6年、市場調査のデータは十分に取れているだろうし、ここまで投入することに前向きでないとすると何か理由があるのかもしれないとも思える。
いずれにせよエバーローズゴールドやホワイトゴールドはイエローゴールド先輩に対してはまだまだ新参者であるので、ゴールドを使ったモデルには慎重になっているのかもしれない。
何か新しいモデルが登場する場合はイエローゴールドで試す方が理にかなっている気がするし、昔から長く定着しているだけあってリスクヘッジになるのはイエローゴールドであると言える。
特に難しいのがステンレスと同系色のホワイトゴールドではないだろうか。
どのような差別化をするのかといった問題が湧いてくるのは当然のことと思われる。
ロレックスのゴールドデイトナ事情や変遷について軽くお話ししたわけだが、僕がイエローゴールド推しであるのはデイトナが発端なのである。
こちらではエバーローズゴールドも推しに推しているが、この二色のデイトナには抗えない魅力がある。
まとめ
とにかくまとめるとだ、ゴールドのデイトナはどのタイプでもそれぞれの良さが完全に別れて棲み分けがしっかり出来ているということである。
最初に登場したイエローゴールドであるが、最初の最初、本当に昔のイエローデイトナは今とは違う雰囲気があった。
なんというか時代背景的にも派手すぎたのではないかと思えるが、現代のデイトナはそこをうまくスタイリッシュにまとめいやらしさが出ないよう現代風のデザインでうまく隠しているように感じる。
特にセラクロムベゼルが入ったデイトナであるとそれが顕著に現れる。
イエローゴールド一色ではなくセラミックの質感と色がデザインに立体感と深みを与えてるようなのだ。
一方でベゼルがセラクロムでないモデルも時代が追いついたように感じはしないだろうか。
ゴールドのジャラジャラ腕時計をしてても今の世の中では風当たりは強くないし、何なら逆にすごくおしゃれである。
主張する文化が広がっている様子もあり、若干の派手さに対する世間の許容度も高まっていると言えるだろう。
それに比例するように、ゴールドタイプの腕時計は需要を増してくる。
それがイエローゴールドではなく、エバーローズゴールド、ホワイトゴールドでもだ。
ホワイトゴールドに限ってはもはや問題はないだろう。
今回紹介した一番人気のそれぞれのゴールドのデイトナの文字盤カラーであるが、見事に特徴を表しているように感じはしないだろうか。
エバーローズゴールドにはより温かみのあるブラウン、イエローゴールドにはイエローゴールドにより深みが増すダークグリーン、ホワイトゴールドには同系色で落ち着いた雰囲気になるブルー、といったようにそれぞれのゴールドが同じ方向を向いていない。
これは全く面白い現象である。
考えてみればそれは当たり前のことであるし、それぞれのデイトナを欲しがる人たちはきっと趣味や趣向が割と大きく変わってくるだろう。
性格もそうであると言える。
となると、ロレックスが時代を超えてイエローゴールドからホワイトゴールド、そしてエバーローズゴールドと種類を増やしていったのは時代をしっかりと読み切った結果であったと言えるのである。
現に今でも新しいゴールドモデルが登場する際はイエローゴールドから試験的に投入されることがよくある。
それからホワイトゴールド、エバーローズゴールドという順番であることが多い。
そういった視点で見てみると、ゴールドの変遷自体がそれぞれの個シリーズにも反映されているのは面白い話である。
という感じでゴールドデイトナとゴールドが生まれた流れを見てきたわけであるが、生まれた時代にもよってどのゴールドが好きかというのも統計的に微妙にではあるが偏りが出てくるのではないかと思えたわけだ。
みなさんはどのゴールドが一番好きだろうか。