ロレックス デイトナ 126519LNとルマン24 126529LNの違いは何?24時間積算計が標準に?

デイトナ

デイトナ ルマン24 Ref.126529LNとカタログモデル Ref.126519LNとの違いは?

悲しいお知らせがある。

2023年に発売されたデイトナのルマン24の100周年記念のデイトナが2024年には既に廃盤になってしまうのだ。

というより既に廃盤になってしまった。

ロレックス デイトナ 126529LN 逆パンダダイヤル ホワイトゴールド・ルマン24の100周年アニバーサリー
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新型デイトナの登場と同時に逆パンダダイヤルとして発表されたわけであるが、1年で姿を消すとなるとやはり悲しい。

ベゼルの「100」赤表記

デイトナ ルマン24 アニバーサリーモデル Ref.126529LN

デイトナ カタログモデル Ref.126519LN

他社とコラボすることがほとんどないロレックスが近年非常に珍しくどこかとコラボしたのがルマン24であったのだが、ベゼルの赤い数字に既に特殊な仕様が刻まれている。

ベゼルの100の数値ところが赤く塗られていてるのはご想像の通り、2023年でルマン24開催から100周年が経過したその記念モデルだからである。

なかなかにうまい差し色だと言える。

レーシングといえば、興奮する赤がやはり人間心理でしっくり来るものであるが、車のリアランプも信号も赤、ポルシェのブレーキパッドも赤であるし、赤は人を興奮へと駆り立てる色であることを考えると100の表記を青や緑にしなかったのは正解である。

通常モデルも「DAYTONA」表記は赤なのだが、『100』表記との調和もとれていて通常のモデルとはちょっと違ったアグレッシブさを醸し出していると言える。

差し色程度で使用されているのもポイントで、全体のイメージを崩すことなくレーシングっぽさを表現しているのはさすが思慮深いロレックスである。

12時間積算計 -> 24時間積算計

デイトナ ルマン24 アニバーサリーモデル Ref.126529LN

デイトナ カタログモデル Ref.126519LN

そしてインダイヤルの左側を比べてもらえればお分かりになられると思うが、積算計がカタログモデルは12時間でありルマン24モデルは24時間になっている。

ルマン24は24時間耐久レースであるため、積算計もレーススタートから終わりまで時間を測れるようになっているのである。

これは確かにナイスなアイディアで、なかなかここを変更しようとは思い付かないのではないかと思えたが、そういった斬新かつユニークな発想をロレックスは見せてくれるのである。

この変更で何が変わったのかというと、ムーブメントの仕様である。

これまで12時間で一周していたところが24時間で一周する仕掛けになっているので歯車などのギア比を変更せざるを得ない。

それはどういうことを意味するのかというと、ムーブメントの改造である。

改造というと魔改造のようなネガティブなイメージであるがそうではなく、モディファイという意味である。

実際は何箇所がどのように変更されているかまでは分からないが、あまり大きな変更ではなく基本的な構造は変わっていないだろうと想像される。

しかし新たにムーブメントを作るとなるとそれがモディファイという形であってもやはりコストはかかってしまう。

自社製ムーブメントには研究開発費や試験的なコストなどが時間をかけて行われるので、それ相応の人件費などもクロノグラフのように「積算」されていくのである。

であるからして、24時間の積算計をこのモデルのみに、しかも1年で終了させるということにはちょっとした重みを感じるわけである。

確かに100周年記念を何年も長々と販売していてはアニバーサリーの価値が薄れるというもので、クロノトリガーで説明すると千年祭を2年も3年も続けてやってしまうくらい薄まってしまうのである。

分かりやすく僕と同様昭和生まれの方に説明させていただくとカルピスを10倍くらいに薄めて飲むようなものである。

薄い方が良いという人もいるだろうが、この場合そうではない。

物理的に薄めることができないものは価値にそのしわ寄せが行ってしまう。

そういった意味でも手に入る入らないは別として、特別モデルは特別モデルであって欲しいのである。

そしてこれはあくまでも可能性であるのだが、24時間積算計を使った特別なデイトナやデイトナの標準が24時間積算計になることも考えられるということである。

実際クロノグラフの積算計は大体が12時間であるが、パワーリザーブの標準が向上している中でのクロノグラフの長時間稼働というのは、相対的に無理のない、スペック向上に見合った使い方である。

12時間積算計から24時間積算計に変更されるというのは実用面での能力底上げということにならないだろうか。

12時間以上の何かを計測する機会は少ないが、あれば便利でありデメリットがほとんど見当たらないということを考えれば、次世代のデイトナでの改善点となりうるのではないかと思えてくるのである。

新型が発売されてまだ間もないことを考えると24時間積算計が搭載された次なるモデルが登場するとなれば2030年頃だろ考えらるが、ロレックスは突発的な変更をおこなってくるのでそれ以前にということも十分に考えられる。

気になるはそれに伴うデザインの変更であるが、僕の予想だと次のデイトナはデザインの方針を大きく変えてくると思う。

断言することはできないが、時代の流れ的に次のデイトナが出ると一般的に予想されるであろう時期は既に今のような世界観ではないと思えるのである。

ここでいう世界観は僕たちから見た世界観、つまり一般的な世間の世界観であり、それを反映するロレックスの世界観である。

両者の観念が大きく変わってくると思えるのだ。

シースルーバック (裏蓋)

デイトナ ルマン24 アニバーサリーモデル Ref.126529LN

デイトナ カタログモデル Ref.126519LN

過去に手巻きのチェリーニプリンスを除いては、ロレックスの裏蓋がシースルーになっているということはなかった。

自動巻ではこれがブランド初である。

ロレックスが採用したシースルーバックは2023年のデイトナ2モデルとパーペチュアル1908の2モデル、計4モデルのみであったが、2024年のプラチナ製の1908のバリエーション追加もあって、これからはどんどんとシースルーバック化が進んでくるのではないかと思われる。

さて、デイトナに採用されたシースルーバックは現段階では2モデルのみであるが、今回のデイトナ ルマン24がまず一本、もう一本は新型のプラチナデイトナ Ref.126506。

特別モデル以外のデイトナでゴールドのローターが回転するのを見られるのはプラチナ製のみである。

Cal.4131に限っては全てを含めてもこの1モデルだけなのだ。

そう言われてみるプラチナデイトナにさらなる特別感が感じられる。

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こちらの記事で紹介しているのだが、つまりはこの2モデルのに採用した特別モデルであるという線引きをしたいというのがロレックスの意向である。

新型のゴールドデイトナ、エバーローズ 126505、イエローゴールド 126508、ホワイトゴールド 126509にはそれぞれこれまで通りの閉じたケースが採用されていて、中の機械の様子をみることができないのが少々残念なところであるが、これまでのロレックスがずっとそうであったことを考えるとそれは普通のことなのである。

しかし、シースルーバックのバージョンがあることを知るとそれはそれで気になってしまうものであり、特別モデルにしか採用されないということであればそちらが良く見えるというのは人間のサガである隣の芝症候群である。

まとめ

というわけで、ルマン24デイトナRef.126529LNとカタログデイトナRef.126519LNの違いを見てきたわけだが、違いの数は実際多くはない。

多くはないが、それだけに一個一個が大きな違いになってくる。

一瞬で見た判断では分かりにくいところがロレックスがよくやる違いのばら撒き方であるが、詳細を微妙に変えることでマニアっぽさが出てくるのも事実である。

この違いがこうでああで、といった違いが小さいほどその個体の価値の評価基準の大きな割合を占めてくることもザラである。

サブマリーナのファット4とかルーレット刻印とか、ラグの痩せ細り具合とか、王冠ロゴの先端の丸いところが若干潰れてるとか、そういった微妙な違いにマニアックな人たちは価値を見出す。

そしてその事実が市場に大きな影響を与えてくるのである。

日本のロレックスマニアは世界でも一二を争うほどに熱心な研究家で知的な人が多いのではないかと思う。

でなければこのように小さな違いのデータを年代とともにアーカイブ化して参照比較しないと思うし、そういった小さな点を見つけ出すことが出来るにはやはり高いIQが必要となってくると思うのである。

今回比較したルマン24デイトナと新型デイトナの違いは見比べれば分かりやすいが、逆にいうと実機を見比べなければ分かりにくいことであり、手元になかったりスペックを参照しなければ分からないことも多い。

腕時計をひっくり返して一方のみの裏蓋を見ることが出来てもムーブメントの違いまでは目視できない。

そういった意味で違いについて大枠的であるが比較してみた次第である。

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