パネライ新作 2024 ルミノール、ラジオミール・ウォッチ&ワンダーズ前の食前酒

パネライ
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パネライ 2024年新作モデル

パネライの良さは実に言葉にするのが難しい。

なんてたって、デザイン面では賛否両論あるからであり、外観以外の部分の良さを抽象的に説明しなければパネライの真価を伝えられないという点がある。

ハマる人にはどハマりするのがパネライであり、実際そのファンはじわじわと増えている。

知名度もグングンと上昇し、今やその名前を聞いたことがあるという人はかなり多いのではないかと思う。

実際に所有していなくても名前は知ってるという認知が大事なのである。

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赤西仁さんも愛用するというパネライであるが、こちらでパネライの良さをお伝えしているので参照いただきたい。

今日の目的はウォッチ&ワンダーズ前に別個ですでに発表されているパネライの新型モデルを2種類ほど紹介したいと思う。

既に紹介しているモデルもあるが、ウォッチ&ワンダーズ前の腹ごしらえというか、迎え酒的な意味でウォーミングアップ的にご紹介する。

ルミノール ドゥエ Ref.PAM01424

まずはこの1本、以前紹介しているモデルであるが、なかなかに珍しいダイヤルが注意を引く1本である。

赤い文字盤というのがなかなか存在せず、ハードボイルドなメーカーは赤系の文字盤はシリアスなシリーズにはあまり使わないものである。

赤と対照的な色を持つ青ダイヤルの腕時計はかなりたくさん存在するのに、赤系の文字盤はどういうわけか地味に封印されているかのような印象を受ける。

車の内装でも赤やワインレッドのレザーが装備されていると非常におしゃれに見えるものであるが、その対比が黒でもシルバーでもインパクトがあってかっこいい上に、ヴァーガンディであると尚更大人っぽくできる人風に見えるのである。

パネライがルミノールドゥエにヴァーガンディと呼ばれるワインレッドを文字盤に採用した新作モデルを2024年初頭にしれっと発表してくれたわけであるが、この辺のやり口もなかなかに面白い。

2024年になって時計ファンが思うのは新作まで待ち遠しいぜ、ということであるがパネライはまずは様子見ということで少数の新作を発表しパネリスティたちの食欲を増進させる。

まるで食前酒としてのむワインのようである。

それがこのヴァーガンディルミノールというわけであるが、特筆すべき点は42ミリで10.7ミリというパネライにしては薄めのモデルだという点。

確かにこのプロポーションはさして新しい試みというわけではない。

今回特別なのはやはり文字盤であって、角度によって明暗が数学的に綺麗な見え方をするグラデーションが効いたダイヤルがその武器となっているわけであるが、スペックも実は特筆すべき点なのである。

サンドイッチダイヤルが生み出す暗闇での視認性もパネライがパネライである理由の一つなのであるが、パワーリザーブが72時間あるのが普通であるというのが普通ではない点でもやはりパネライの実用性の高さを感じさせる。

基本的に長い稼働時間をコンセプトの一つとしているブランドなので、72時間は当たり前の数値となっているが通常腕時計はそれ以下の駆動時間であることの方が多数なので地味にありがたいのである。

60時間そこらで止まってしまう腕時計が多い中、12時間のプラスは巻き忘れで停止してしまう可能性をぐんと下げてくれるのである。

ルミノールドゥエというモデルはこの辺りは普通である。

パネライはニッチなモデルで攻める戦略を取ることが見受けられるが、今回のヴァーガンディモデルも薄型ルミノールが好きなドゥエファンに向けた珍しい赤系ダイヤルの1本ということである。

ルミノールのワインレッドを薄型で、といった具合の注文で出てきたのがこのモデル。

腕時計を所有する際にこれだけは外せないという注文が2つ3つあるが、このようなニーズに組み合わせに対して発表されたお洒落な一本がこれだ。

価格:953,700円(税込)

という価格設定であるが、パネライであればおそらく定価より安く買えるであろう。

ラジオミール アニュアルカレンダー プラチナテック™ Ref.PAM01364

そして次のモデルはパネライにしては珍しいプラチナモデル。

最近はプラチナ製の腕時計を発表するメーカーが増えてきているようであるが、ラグジュアリーなものを好む時代になったのか、ゴージャスなものを作るメーカーが増えてきている気がする。

その分技術力が向上しテクノロジーの底上げというものが起こるわけであるが、価格もそれに伴い上昇していくのだろうと思う。

パネライが今回発表したのは、ラジオミールの45ミリモデルで、アニュアルカレンダーという年次カレンダー機構が搭載されたモデルであるのだが、プチコンプリケーションと呼ばれるちょっとした複雑機構とプラチナを合わせている点で、結構な本気時計を持ってきたという印象である。

先程のヴァーガンディルミノールと同じで、なかなかにニッチな攻め方をするなという印象である。

ルミノールとワインレッドという組み合わせはニッチはニッチでもよりシンプルな組み合わせであるが、今回のモデルはさらにニッチな需要に向けた作品であると言える。

まずラジオミール自体がルミノールと比べて選ぶ絶対数が少ないわけであり、そこにプラチナと年次カレンダーを同時に投入するという試みは数を絞らないといけないであろうと思うわけであるが、実際ブティック限定という制限がかかっている。

価格も700万円を超える、7,763,800円(税込)という定価であるが購入する層を敢えて絞った戦略のように思える。

ダイヤルは色彩学とでもいうのか、赤とは逆の関係にある緑系を使用した文字盤を採用している。

赤と緑が対極の色であるということはドクターの手術着と血の色の話からも有名であるが、パネライは2024年モデルの新作先行発表としてヴァーガンディの補色になるようこのモデルを選んだのかもしれない。

グリーン系ではあるが、オリーブのような深い味わいのあるカラーリングが濃淡のあるグラデーションで仕上げてあり、外周周りがより濃くなっているのも引き締まった印象を与えてとてもお洒落ではある。

ただ、高い。

このモデルはワインレッドの一本と同じく、ステンレススチールで作ったらいいんじゃないかと思うわけであり、要するにアッチャイオであるがしかしパネライはおそらく需要という意味で作っているのではなくプラチナだから意味がある、という視点で富裕層に向けた作品としてリリースしているのである。

ある意味ブティック限定でコレクション性のあるリッチなパネリスティのための一本ということなのであろう。

先にご紹介したワインレッドのルミノールドゥエとはちょっと異質な存在であると感じる。

まとめ

というわけで2024年のウォッチ&ワンダーズ前の食前酒的に発表されたパネライの新作であるが、今年はどのようなモデルが発表されるのかやはり楽しみである。

買う買わないという話ではなく、腕時計そのものもそうだが、メーカーが見せる戦略的な側面もまたライバルなどを意識しているかなどといった隠れた情報が分かって面白いのである。

メーカーによって新作を大量に発表するところもあればごく少数に限って毎年地味に改良していくといった手法をとるメーカーもある。

バリエーションをこれでもかと増やしてニッチなところを数量限定で攻めるかと思えば、奇抜な腕時計で技術力を見せたり超絶コンプリケーションでブランド価値を魅せ他を圧倒するような老舗メーカーもあったりする。

各社あらゆる戦略で時計ファンを楽しませてくれるわけであるが、パネライがどのような手品というか隠し球を持っているのか2024年も要注目である。

またウォッチ&ワンダーズで発表された新作はこちらでも紹介していくつもりだ。

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