ロイヤルオークのめちゃかっこいいスモークブルーダイヤル
一時期とてつもなくオーデマピゲのロイヤルオークが欲しい時期があった。
もう5、6年前のことになるだろうか。
寝ても覚めてもロイヤルオークのことばかり考えていて、、、
というのは嘘ですが、ただすごく欲しいなと思っていたのは事実。
僕が欲しかったのはもう本当に普通のやつ。
37mmか39mmの白文字盤の何の機能もついていない普通のステンレスのモデル。
とにかくそれが一番かっこいいと思っていたし、今でもロイヤルオークは白文字盤の普通の
39mm : 15300ST.OO.1220ST.01
37mm : 15450ST.OO.1256ST.01
だったと思う。
腕時計に限っては極シンプルなオーソドックスなモデルで、それが最高級に仕上げられているものが好きで、余計なものを排除した引き算的なスタイルがそこはかとくなく好きなのだ。
だから基本はドレスウォッチの方が好きだったわけだが、ラグジュアリースポーツに関しては、僕が腕時計に求める部分を大いにカバーしているということもあってノーチラスやロイヤルオークにはガツンとやられてしまった部分があるわけだ。
ロイヤルオーク エクストラシン Ref.15202IP.OO.1240IP.01
今回僕がお話ししたいのはロイヤルオークなのではあるが、実は僕がこよなく愛した白文字盤のモデルのことではない。
青い文字盤が如何に世界のラグジュアリースポーツの人気と価格高騰を牽引しているかということ後述するわけだが、とりあえずは先にその話のスピンオフ的な形で語っていく。
要するに青い文字盤がかっこいいということだ。
ブルーダイヤルの腕時計はまだまだ一般的ではなく、青い文字盤であることがなかなかスペシャルな感じに見て取れるくらい、ちょうど良いバランスで世に散らばっている感じがする。
青い文字盤のゴージャスなシルバーケース&ブレスレットというだけで、
「あ、良い時計なんだな」
と瞬時に認知できる感覚だ。
そこに近年登場したのがこのスモークブルーの1本というわけだ。
コバルトブルー的なちょっと濃いめなブルーダイヤルがこれまでは青文字盤ロイヤルオークの主流だった。
だがしかし、これからはスモーキーな、ちょっとグラデーションが効いた渋いブルーダイヤルが幅を利かせてくるのではないかと思う。
新しい文字盤色を投入するのではなく、青系文字盤に若干のアレンジを加えるというメスの入れ具合には、何やらマーケティング的な戦略があることを感じさせる。
リスクを取って何かを大きく変えるのではなく、確かなものを残しながら新しい風を取り込むという姿勢はなかなか賢いやり方だと思ったわけだ。
中央に向かって徐々に明るさを増していくグラデーション加工が施されており、逆向きに表現するならば外周に向かってディープブルーにスモークしていく感じだ。
このダイヤル、どこかのメーカーの腕時計に似てはいないだろうか?
そう、H.モーザーという魔力を放っているかのような腕時計を生み出す不思議な時計ブランドのあのフュメダイヤルだ。
煙が空気中に拡散されている様子からヒントを得て文字盤にデザインされるようになったという所以があるわけだが、今テーマとなっているスモークドブルーという名のダイヤルも『煙』がやはりキーワードとなっているわけである。
ロイヤルオークという鬼にスモークブルーのグラデーションダイヤルという金棒が加わった形だ。
スモークダイヤルのパイオニアであるH.モーザーからすればオーデマピゲはまさに煙たいやつに違いない。
さて、
青い文字盤の腕時計がバブルを起こしているとお話したばかりだが、もしこのブルーダイヤルがエクストラシンジャンボなどで採用されるとなるとさらなるバブリーな自体が起こる可能性があるのではないだろうか。
通常のブルーダイヤルですら既に1500万円を超える自体となっており、ステンレス素材でここまで値段が高騰するとなると、将来的にはデイトナのポールニューマンのようなことにもなりかねないのではないかと思えてくる。
先が見通せない時計業界のバブルはまさにスモークがかかっているようだ。
青文字盤人気とプリングルスのサワークリームオニオン
青が好きな人は結構多いと思う。
昨今の腕時計ブームを追うと、青が腕時計に使われているモデルがあらゆるブランドに存在している確率は結構高く、赤や黄色が使用されているよりも存在率、存在数、共に多いのである。
こちらでも紹介しているラグジュアリースポーツの最人気機種は各メーカーどれも青文字盤を使用しているのである。
通常腕時計といえば白文字盤か黒文字盤が一般的で、当然のように腕時計といえば白か黒の文字盤であると思っていた節があった。
時代の流れとともに、あらゆる色が登場してくると、たちまち青文字盤を装備したブルーダイヤルの腕時計は人気を博して行った。
通常、商品というものはオーソドックスなものが一番人気があったりする。
ディズニーではミッキーマウスが一番人気でクマのプーさんやティガーなどのキャラクター人気もすごいがミッキーには負けるのである。
サンリオも然り。
ハローキティの人気を超えるキャラクターはサンリオ内では今後生まれることはないであろう。
カルビーのポテチにしてもそうだ。
うすしお味がなんといっても一番人気なのである。
しかし稀に、オリジナルの存在を超えるサブキャラが登場し、世間を賑わせる良い番狂わせ状態が起こる。
それはプリングルスのサワークリームオニオン味がオリジナルのうましお味を超える人気を獲得しているかの如く、高級腕時計界では青い文字盤のものがオーソドックスカラーである白や黒の文字盤のものの人気を凌駕するというものである。
プリングルスに関してはただサワークリームオニオンが美味しいという理由付けで片付けられるのだが、こと腕時計に限っては青い文字盤が一番人気である理由をシンプルに説明することは出来ないのではないだろうかと思う。
もちろん単にかっこいいからでは?
と思われることと思う。
確かにそれは最低条件であり必須条件である。
しかし、ここまで高額なものになってくるとカッコいいからだけでは済まされないのではないだろうか?
カッコいい、つまりみんなもカッコいいと思っている、という付加条件が与えられ、それをみんなが思えばそれは既に市場の思惑を反映するのである。
というよりそれ自体が市場の思惑であり、そこには投資という文脈が与えられる。
プリングルスの味はただ単に個人が美味しいと感じる嗜好だけがランキングのトップに位置する理由になっている反面、
スイスの腕時計というそれ自体が高額で価格の変動が何十年と起こってきた存在に対しては、個人の感想のみではなく生きた市場の感情というものが主な値段付けの理由になってくる。
所謂(いわゆる)、有価証券や金と同じ存在であると言える。
価格の変動に関しては少々激しさがあるが、それは株式や昨今のゴールドやプラチナの値動きとさして変わらないのである。
カッコいいから欲しい。
投資目的。
またはその両方である場合も多く、数年時計を楽しんだあとは売却しようと思う投機筋の買いも入ってしまうのである。
その最たる対象が青い文字盤の腕時計なのだ。
もちろんその根幹となる理由はプリングルスのサワーオニオンが一番売れている理由である美味しいという感情と同じであることは言うまでもない。
まとめ
周りくどくなってしまったが、要するに腕時計はステータスを見せるために欲しいという思いと、投資目的で購入するという二つ以上の目的が絡まっているため、車とはちょっと違った存在なのである。
車はステータスを求めるためのものという需要はかなり多いが、投資目的で車を買うというアクションは腕時計と比べると一握りの人たちに限られている。
なぜなら投資目的で購入する車は、最低でも数千万円するからだ。
その点、腕時計への投資は数十万円から始まり、数百万円のモデルをローンで購入すればあとは寝かせとくだけで良いので、駐車スペースや持ち運びの問題を考慮しなくて良いことも合間って非常に有効的な財テクとなるわけである。
その辺りに関してはこちらの記事でも投資にもってこいなモデルを紹介しているので時間がある時にでもお読みいただけたらと思う。
プリングルスのサワークリームオニオンを食べながらでも。